人が想定できなかった興味関心層を次々と抽出 個々の効果測定も可能
MZ:今回は「ネスカフェ アンバサダー」のFacebook広告にDANツールを活用されたそうですが、どのような効果があったのでしょうか。
馬:今回、Facebook広告のリターゲティングと類似ターゲティング、DANツールで抽出した興味関心の3つの方法で同時配信しました。その中でDANツールが最も良い成果を挙げ、2番目に良かったリターゲティングと比べて、CPCは7分の1程度に、CTRは3倍ほどになりました。
MZ:狙い通りの結果が出たのですね。DANツールのどのような機能を活用したのでしょうか。
馬:DANツールには4つの機能があります。今回は「THE PLANNER(以下、プランナー)」と「LASERSIGHT(以下、レーザーサイト)」の2つの機能を中心に活用しました。プランナーは設計段階で、レーザーサイトは運用を始めてから使うものです。
プランナーは、ターゲットの年齢、性別、目的、予算などの与件を入れることで、Facebookが提供しているAPIやDANツール独自のデータベースを基に関連性の高い興味関心カテゴリーを抽出し、プランニングに活かせるツールです。
今回、「コーヒー」「ネスカフェ」「ネスレ」などのキーワードを与件として入れていたのですが、「カフェモカ」など一般的に連想しやすいもの以外にも、「お茶」「エビ」「キムチ」など、人が運用している限りでは到底考えつかないようなキーワードが出てきたのです。
馬籠:しかも、実際にそれらのキーワードで運用してみると効果を確認できました。DANツール独自のレコメンドにより、高い精度のターゲティングが可能になっています。
馬:また、レーザーサイトは運用時に各興味関心の効果を見ることができるツールです。Facebook広告の基本機能では、複数の興味関心を設定していた場合、一つひとつの効果の計測ができないのですが、レーザーサイトであれば各興味関心の効果を厳密に測定できるため、効果の高いキーワードに予算を寄せることができます。
馬籠:通常こうした施策では、ある程度刈り取りを行ったら、また新たなキーワードを考える必要がありますが、レーザーサイトは新しいキーワードもレコメンドしてくれるため、高速でPDCAを回せます。運用効率を上げながら、より相性の良いユーザーにリーチできる状態を構築するツールです。
「クライアントのことを考える力」を伸ばすためにツールを使う
MZ:DANツールの効果を実感したのは、具体的にどのような場面でしたか。
村岡:DANツールは、企業側の盲点に気づかせてくれると思っています。
たとえば「コーヒーメーカー」という単語について。私たちは、「ネスカフェ バリスタ」のことを「コーヒーマシン」と言っていて、プロモーション時も「コーヒーマシン」という単語を使うことが多い。ですが、あるとき、実は一般的なお客様の間では「コーヒーメーカー」という呼び方のほうがメジャーだったと、社内で話題になりました。
そのときDANツールを確認してみると、既に「コーヒーメーカー」というキーワードが重要だと出ていたのです。ユーザーデータをしっかり捉えているなと感じました。当事者だとつい見逃してしまうようなことを教えてくれるのは、ありがたいですね。
馬:運用担当者の立場では、ツールを活用することで分析・判断にかかる時間を削減でき、作業効率が上がるので、その時間を使ってよりクリエイティブなことをできるのが良いところだと思います。
馬籠:これまでの広告担当者は、Excelを使って解析するという作業が多かったのですが、ようやくそうした仕事が自動化される時代になってきました。クライアント企業とお話しする時間を増やし、考える力を伸ばしていくために、ツールを使って作業をどんどん効率化していきたいですね。
村岡:作業そのものはバリューを生まないですからね。それより戦略戦術を考えるほうが重要ですので、広告主としてもとてもありがたいです。