通勤時間の長さが、プラットフォーム利用に及ぼす影響
読者の皆さんは、通勤中どのようにネットを利用しているだろうか。筆者は自宅が勤務先に近いため通勤時間中はまったくネットを使わず、音楽しか聴かないのだが、同僚に話を聞くと、「通勤中に自宅でDLした動画を見る」「SNSのチェックは通勤電車の中で行うことが多い」と言った声をよく聞く。
そこで、20~30代女性会社員を通勤時間「30分未満」「30分~1時間未満」「1時間以上」の3ターゲットに分けて比較してみたところ、やはり通勤時間が長い人のほうがYouTubeやSNSの利用量が多かった(図表6)。
興味深いのは好きな広告テイストだ。通勤時間が長い人は、電車の中などで時間を潰していると考えられるため、ゆっくりと1つの情報を見る時間的余裕があるはずだが、広告のテイストはじっくり商品特徴を伝えられる説明型の広告よりも「何これ?」と目を引くような、パッと見ですぐ理解できる広告を好む傾向にある。普段から多くの広告・情報を浴びている分、インパクト重視のコミュニケーションのほうが彼らには刺さりやすいようだ。通勤時間帯での広告配信や、交通広告のクリエイティブ作りへのヒントとなりそうだ。
見込み顧客の「前」段階にいる人の囲い込みが重要
One to Oneマーケティングが一般化した今日、自社サイトにアクセスした人や自社商品ジャンルに関連する単語を検索した人などを「見込み顧客」として囲い込むための仕組みづくりに、多くの企業が熱心に取り組んでいる。
しかしながら、自社の売上をさらにあげていくためには、見込み顧客になる「前」段階にいる人をどう囲い込むかが重要だ。言い換えれば、どのトリガーを引けば見込み顧客になってくれそうか、そのトリガーポイントをいち早くあぶりだすことが肝要である。そのためには、世の中全体の動きと狙うべきターゲットの特徴を広い視野をもって見続けることが必要だろう。
次回は、「動画広告」をテーマに、動画フォーマットの違いによるユーザーの受け止め方や動画の尺の許容範囲等、動画広告制作のヒントとなる示唆をお届けする予定だ。
