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採用マーケティングは認知から退職までの体験をデザインすること メルカリとマルケトの方法論とは

2019/05/21 07:00

 4月18日(木)、MarkeZine編集部は業界動向を解説する「MarkeZine Trend Seminar vol.1」を開催した。また特別ゲストとして、アドビでマルケト事業を担当する千葉修司氏とメルカリの石黒卓弥氏を招き、「採用マーケティング~マーケティング発想で変わる採用戦略~」と題したセッションを行った。採用活動にマーケティングの視点を取り入れる方法とは?

目次

コンテンツで態度変容させる

――定期誌『MarkeZine』では第39号(2019年3月号)で「マーケティング発想の採用戦略」を特集しました。その中で、当時マルケトに在籍していた千葉さんには採用マーケティングについての解説記事をお願いし、石黒さんにはメルカリで実践されている手法についてうかがいました。取材からは数ヵ月が経ち、採用マーケティングという言葉を見かける機会も増えてきたのではないでしょうか。

 マルケトがアドビと統合したこともあり、千葉さんは特に環境が変わったかと思いますが、お二人は今どういった形で人事や採用に関わっていらっしゃいますか?

千葉修司氏:アドビ システムズ
アドビ システムズ 株式会社 マルケト事業担当
ビジネスパートナー/タレントオペレーションズ シニアマネージャー 千葉修司氏

千葉:私はマルケトに入社して3年、2018年の半ば頃から人事も担当するようになりました。入社当初からセールスイネーブルメントという役割を担っており、一番の目的は生産性の高い組織を作ることで、それにはいい人材を採用する必要がありました。未来の仲間とのエンゲージメントをどう構築していくかというとき、マルケトが提供しているマーケティングオートメーションツールが実は人事にも使えるとお客さんから言われて、それで使い始めたんです。アドビに移籍したあとはHRBP(Human Resources Business Partner)とタレントオペレーションの領域で、「Marketo」を利用した組織作りや採用活動を手がけています。

石黒:私はもともと人事や採用を担当していまして、つい最近からは組織開発や人材開発を手がけるようになりました。特にUXやCXの知見を従業員の体験や採用活動に当てはめるEX(Employee Experience)に注力しています。メルカリは今従業員が1,600人ほどいますが、私が入社した4年ほど前は60人くらいでした。そこから一気に30倍近く従業員が増えたものの、スタートアップはとにかくできることをやるという方針で、採用活動については多くの挑戦をしてきました。

――そもそもになりますが、採用マーケティングとは何なのでしょうか。

千葉:基本的な考え方としては、コンテンツを軸に顧客の態度を変容させていくのがマーケティングです。相手が誰であれそれは変わりませんから、採用候補者に対してもやはりマーケティングは有効です。採用活動自体が何かしらのマーケティングを行っていると言えるのではないでしょうか。

――コンテンツといえば、メルカリはオウンドメディア「mercan(メルカン)」の存在が際立っていると思います。オウンドメディアはコンテンツ制作を継続するのが難しく、しかもターゲットにきちんと届けるのも簡単ではありません。「mercan」が今に至ったのにはどういった工夫があったんでしょうか。

株式会社メルカリ Organization & Talent Development Manager 石黒卓弥氏

石黒:「mercan」は記事だけでなくPodcastや動画もあることからコンテンツプラットフォームと呼んでいます。社内報に近い機能も兼ねており、社内外の情報格差をなくすための役割を担っています。なぜ「mercan」を始めたかというと、自社のことをブログで書く潮流ができ始め、次にコンテンツ発信と採用活動を紐付けたほうがいいのではないかという風潮になったためです。コンテンツは蓄積させていくことで検索性が増すことや、SEOで集客するのが王道ですから、自分たちでプラットフォームを持ったほうがいいということで「mercan」を運用し始めました。

 経営陣とはPVを追わないことで同意し、とにかく毎日更新してコンテンツを溜めることを心がけました。今では月間30万PVを超えるほどに成長し、専門メディアくらいには読まれています。採用候補者の方はほとんど読んできてくれるので、最初の面接から、期待値がずれにくくなっているのを感じます。会社紹介で時間を取ることもないですし、「mercan」を読んで社風が合わないと感じたらエントリーしなくていいわけですから、非常にいい役割を担っていると思っています。

――社内報を外に出すというのがおもしろい発想ですよね。たしかに、その会社に就職したいと考えている方にとって社内報はどういう社風や文化があるのかを知るのに最も適した資料になります。せっかく社内報を作っているなら、社外に出さないとむしろもったいないですね。


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