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定期誌『MarkeZine』特集

人事領域にマーケティング思考は必須 メルカリの採用広報戦略

「“メルカリだから採用が強い”のではありません。どんなときも、立ち返るのはバリューです」と語るのは、2015年にメルカリへ入社し、同社の人事領域をリードしてきた石黒卓弥氏。言葉の通り、メルカリの採用ではミッションとバリューを反映した透明性の高い情報を発信し続けることに徹している。また、「ブラックボックス化しやすい人事は、数字で科学でき、マーケティング思考の余地がある」と同氏。オウンドメディア『メルカン』の運営を中心に、マーケティング思考に基づいた採用広報の可能性を探る。

※本記事は、2019年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』39号に掲載したものです。

「働く場としてのメルカリ」を発信するPeople Brandingチーム

株式会社メルカリ People Partners/People Branding Manager 石黒卓弥(いしぐろ・たかや)氏
※所属は取材時
NTTドコモに新卒入社後、マーケティングのほか、営業・採用育成・人事制度を担当。また、事業会社の立ち上げや新規事業開発なども手がけ、2015年1月にメルカリに入社。人事採用領域に携わった後、2019年2月よりOrganization&Talent Development Managerとして、タレントマネジメントの領域も担う。

――メルカリは、グローバル新卒採用や評価制度、出産・育児などのライフイベントを支援するmerciboxの導入をはじめ、人事領域においても注目される存在です。「メルカリは採用に強い」という印象を受けますが、石黒さんの実感はいかがでしょうか。

 メルカリには、バリューに共感した様々なキャリアを持つメンバーが働いています。私も、前職のNTTドコモではマーケティングや営業、事業会社の立ち上げと様々な業務に関わってきましたが、現在は人事部にあたるPeople Partnersで採用および採用ブランディングを担当しています。

 メルカリが採用領域でご注目いただく理由のひとつに、採用広報を担うPeople Brandingチームの存在があると思います。従来の採用広報は、マーケティング部や広報部門が兼ねるケースが多く、人事組織内にあることは非常に珍しいですね。People Brandingチームでは、働く場としてのメルカリの情報発信、そして転職潜在層・顕在層の興味・関心につながる接点を設計しています。

 たとえば、コンテンツプラットフォーム『メルカン』の運営や、実際に社員と会って話ができるミートアップの実施。SNSによる発信、リファラル採用など、メディアやイベント、働くメンバーを通して「メルカリで働く人」を発信しています。転職を考えたとき、純粋想起としてメルカリが思い浮かぶような状態が理想ですね。入社の6割がリファラル採用で、採用サイトからのオーガニック応募も割合として多くなっています。

メルカリの「はたらく」を伝えるコンテンツプラットフォーム『メルカン

――オンラインからオフラインまで、様々なタッチポイントで情報を発信しているのは、マーケティングにおけるオムニチャネル戦略のようですね。「働く場としてのメルカリ」に関する情報との接点を、あらゆる方法で設計していることが採用につながっていると。その魅力を伝える仕組みのひとつが、コンテンツプラットフォーム『メルカン』とのことですが、どのような運営をされているのでしょうか。

 メルカリの「はたらく」を伝える『メルカン』は、2016年5月26日にスタートし、まもなく3年を迎えます。編集チームは、2名体制です。インタビューなど読み応えのある記事は週3本ほどを目安に公開し、毎日更新する「メルカリな日々」という日常を伝えるライトなコンテンツは、週8〜10本ほど公開しています。

 読んでいただくための設計として、TwitterやFacebookなどのSNS運用はもちろんのこと、タイトルにメルカリやメルペイなどのサービス名を含めるなど、SEOの基本は前提としています。また、回遊性を高めるためにページ遷移を改善し、記事に関連する仕事の募集要項には該当記事のリンクを貼るなど、知りたい情報にアクセスしやすいメディアを心がけています。

 また記事は、編集チームだけでなく、各チームのメンバーも書きます。つまり、メルカリメンバーなら誰でも書けるんです。

 『メルカン』は、テキストベースのオウンドメディアやポッドキャスト、FacebookLIVEなど多様な方法で情報を発信する、コンテンツプラットフォームという考え方をしています。採用担当者や各部門のハイアリングマネージャーが採用を強化したいと考えたとき、まずメルカンから発信しようと第一に考える存在です。みんな、メルカンが大好きなんです。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/25 13:45 https://markezine.jp/article/detail/30621

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