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リクルート、電通デジタル、Facebookが語る 広告効果計測はインクリメンタリティの時代へ

48%のケースで異なる結論が

中村:一見、リターゲティングのほうが効果は良いのではないかと考えますね。

杉浦:そうですね。来店率はリターゲティング層のほうが高く、約2倍の差がありました。しかし、それぞれをリフトで評価し直すと、新婚・結婚検討層のほうがリフトは大きかったのです。また、リフトを基に計算したTrueコンバージョン単価も3倍の違いがありました。つまり、見た目の効率に捕らわれたリターゲティングへの過剰投資があり、ミドルファネルへの投資を再評価すべきではないかという結論になったのです。

金井:リターゲティングは、一見効率よく見えますが、広告予算の最適化という観点からすれば偏りが生じます。広告がなくても自然にコンバージョンする人に広告を優先的にあてやすい構造だからです。ただ、現在では昔に比べリフト調査のハードルも下がり、分析もやりやすくなりましたので、リフト調査をベースに単なるCPAだけではなく、広告によるリフト分に着目して予算の投資ポートフォリオを考えることができやすくなってきたのではないでしょうか。また、同じプラットフォーム内であれば、デバイスも超えたシングルIDで計測できることも良いと思います。

中村:フェイスブックの調査では、同じ2つのキャンペーンをラストクリックモデルとインクリメンタリティ計測で評価した場合、48%のケースで答えが違うというデータが出ています。ラストクリックモデルを進める中で、ビジネスが伸びなくなっている背景には、実は日々のビジネス決断のベースとなる数値が、異なっている可能性があるかもしれません。

インクリメンタリティ計測が注目される2つの理由

中村:では、インクリメンタリティ計測は、どのようなビジネスシーンでの意志決定に最適だと思われますか。

金井:私が意識的にインクリメンタリティ計測に取り組んだのは、いまから4・5年前の動画広告の黎明期からです。当時、無理やり検証フレームを考えて動画による検索行動やコンバージョンのリフトを計測しました。当時の結果ですが、フリークエンシー2回以上の場合、検索行動はリフトするという結果が出ましたね。今はもう少し必要になってきていると見ていますが。

 Instagramのストーリーズ広告に代表される、スマホの縦型全面画面の動画配信は、クリックされずとも接触自体の認知メカニズムに働く効果が確実にあると考えています。ここ数年のフォーマットの進化やリッチ化により、ネットがブランディングにもアッパーファネルの態度変容にも効果を持つという時代へ、移っているのではないでしょうか。

中村:その他、インクリメンタリティ計測は、クリエイティブのABテストや、最適なフリークエンシーの判断にも使えますね。また、予算のアロケーション判断にも活用できると思います。しかし、なぜ今、インクリメンタリティに注目が集まっているのでしょう。

杉浦:2つの理由があると考えています。1点目は、ネットがマス化していく中、デジタルマーケティングは長年の課題である「ラストクリックでの評価」の限界に突き当たっているんです。そこで、アトリビューション評価をはじめ、様々な議論を経て、リフトに帰着しているのではないでしょうか。

 2点目はデータ環境の変化です。ご存知の通り、プライバシー保護やトラッキング防止機能であるITP(Intelligent Tracking Prevention:iOSにデフォルトで搭載されているブラウザ「Safari」のトラッキング防止機能)の対応が迫られ、Cookieに基づく計測が難しくなるであろうと見られています。「では、どうするか?」と考えたとき、インクリメンタリティが注目されているのだと思います。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/12 13:28 https://markezine.jp/article/detail/31208

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