SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

モバイルアプリデータから紐解くファクトフルネス

それ、Z世代に対する先入観じゃない?ファクトベースで構築する、10年後の顧客を育てる戦略

 昨今、ジェネレーションZ (Z世代)への注目が高まっています。他の世代と比較して、Z世代のモバイル活用状況やライフスタイルは大きく異なり、それはスマホアプリの利用状況に如実に表れています。10年後の消費を担うZ世代を未来の顧客に育てるために、彼ら・彼女たちのインサイトを捉えるには? Z世代のモバイル環境をデータで可視化し、そこから見えてきた手掛かりを解説します。

スマホアプリの利用時間、2年間で1.5倍へ伸長

 世界中で普及しているスマートフォン。日本も例外ではなく、総務省の発表によると2013年には39.1%だった個人保有率は2017年には60%を超え、特に東京地区においては2019年1〜2月に実施された博報堂DYメディアパートナーズの調査によると82.2%の保有率となりました。

 スマホの普及により生活者のメディア接触が大きく変化してきたことは既に広く知られています。では、スマホとは不可分である“スマホアプリ”の利用時間は、どう変化しているのでしょうか? App Annieのデータによると、実にこの2年間で50%も増加しています。

 特に成長率が著しく、利用時間の伸長が顕著なのは、「写真(210%)」「動画プレーヤー&エディタ(125%)」「エンターテインメント(120%)」の3つのジャンルです。この領域は世界的に伸びており、多くの国で生活者がモバイルにおける可処分時間をこれら領域に割いています。モバイルを生活者接点として重要視する必要性は言うまでありません。

インストールされたアプリの7割は使われていない

 App Annieによると、日本人の平均アプリインストール数は100個超で世界でも有数の「インストール国」と言えます。その他諸外国と比較すると、大容量の端末が普及していることもあり、使わないアプリを削除しなくともスマホの利用に支障がないという背景があります。しかし、「使われているアプリ」という視点で見ると、1ヵ月に1回以上使われるアプリは30個ほどしかなく、70個以上のアプリは1ヵ月に1回も使われないということが起きています。

 使われていないアプリは、インストールされていないのと一緒です。ユーザーから見た時に不要だと判断されるとプッシュ通知はオフにされ、企業からのアプローチは実質途絶えてしまいます。すなわち、生活者のモバイルにおける可処分時間をまったく割いてもらえてないということです。

 一方で、むやみやたらにユーザーの時間を確保することが正解とは言えません。たとえばフードデリバリーサービスのように、“極力短い時間でユーザーに利便性を提供することを価値”とするビジネスをしている企業にとっては、デジタル上での顧客体験は短くする必要があります。

 とはいえ、前述したとおり「利用されないアプリはインストールされていないのと同じ」であるため、短い時間であれ定期的にユーザーに利用されることが重要です。そのために必要なことの1つは「企業目線のCX設計ではなく、ユーザー目線の設計」です。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
従来の方法ではNG?Z世代へのアプローチ方法

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
モバイルアプリデータから紐解くファクトフルネス連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

向井 俊介(ムカイ シュンスケ)

App Annie Japan 代表
国内IT企業を経て、世界最大の企業情報企業である米Dun And Bradstreet、外資系ITリサーチ・コンサルティング企業である米Gartnerにてセールス職として様々な業種を横断的に担当し、経営者レベルとのビジネスを推進。App Annieにおいては、15年以上のセールス経験の大...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/07/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31540

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング