成長は右肩上がりではない、「不安でもやり切る」と武器が増える
――ここまで、マーケターに求められるスキルや働く環境について整理してきましたが、細かな要素をすべて可視化するのは難しく、自分には何が足りていないのか悩んでしまう方もいると思います。
於保:スキルの可視化に関しては、私がデータサイエンティスト協会で進めている指標作りが参考になるかもしれません。ここでは5つのレベルに分けて、どんなスキルや経験をもっていると次のレベルに達せるかがわかるようにしています。
デジタルマーケターに関しても、必要なスキルを整理してこのような指標を作ることは可能ですので、ぜひ当社にご相談いただければと思います。
――このようにレベル分けして可視化することで、自分が学ぶべきことが見えてきますね。新しいスキルを積極的に身に着けていきたい、という人へのアドバイスもいただけますか。
於保:スキルをどのように学ぶかについては、“他人”から学ぶか“自分”で学ぶか、“実践”か“座学”かの軸で分けられると思っています。“他人”から“実践”だと、ベテランから見習うもしくは習える環境に行くことになりますし、会社に適任がいない場合も、外部で講座を受けたり、我流で始めたり、本で学んだりといった選択肢があります。
学びのスタートは本やブログで良いと思うのですが、やはり講座はまとまった知見を得られるので効率的です。データ活用領域のスキルアップやキャリアアップというところで言うと、当社でもTableauの実践講座やSQL実践講座などを頻繁に開催しています。そういった場を利用してみるのも一つの手だと思います。
あるいは、我流で始めてみて、ベテランから教わりながら習得していくのも良いでしょう。何も知らない人にゼロから教えるのはとても大変なので、前提知識は身につけた上で教わることが大切です。
他人から実践で学ぶ場合には、部署移動なども手ですが、それが難しい環境の場合には、転職を一つの選択肢に考えても良いと思います。
いずれにせよ、大事なのはチャレンジし続けることです。新たな分野に取り組む際の成長は右肩上がりではなく、成熟度が一度下がる過程を経ることになります。自分が成長しているか不安を覚える時期があるでしょうが、それでもやり切ると、違う分野の知見が積み重なって武器が増え、伸びを実感できるようになるのです。
これからさらにデジタルシフトは進んでいくので、若手、ベテラン関係なく、どのフェーズにいるマーケターであっても、恐れずに新しい挑戦をしていくことが重要だと思います。
現在、クリーク・アンド・リバー社では、デジタルマーケターのキャリア相談を積極的に受け付けています! 詳細はこちら