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JTBが挑むデータドリブン戦略 立ち上げから運用まで

データの向こう側には人の心がある データドリブン戦略に舵を切ったJTBの挑戦


顧客構造を解明してセグメントを切る

 我々Web販売部では、データドリブンを最重要ミッションとして策定しました。これを因数分解するといくつかの要素になりますが、そのひとつが、顧客構造の解明による1to1のコミュニケーション戦略です。

 この概念は70年代からあり、むしろインターネット前の時代の方が自由闊達に実行されていました。百貨店でいえば外商のような細やかさで、文字通りの1対1のコミュニケーションが行われていたわけですが、オンラインでは、少し勝手が違います。100万ユーザに対し、100万通りのコミュニケーションを個別に運用することはできません。そのため、特徴を「群」としてとらまえ、特徴別のコミュニケーションを実施します。

 オンライン時代において最も大きな課題のひとつは、1to1セグメントを何で切るかという課題です。つまり、顧客が残した“行動ログ”と“属性情報”を使って、「群」としての顧客の特徴を分けるものを何にするかという問いです。年齢性別、居住地、購買金額、頻度、回数といった単純属性情報による分類は、顧客の特徴とは言えません。多くの企業は、このような属性情報切りを「わかっていながらやってしまっている」のではないでしょうか?

 もしハワイへの渡航者を玄人度で分類することができたら、コミュニケーション戦略として様々な施策を打ち立てることができるでしょう。重要なことは、50代のハワイ初心者もいれば、20代の玄人もいる、ということです。この時点で、単純属性情報は何の意味も持たなくなる、ということがわかります。

 我々のコミュニケーション戦略において、顧客のセグメントを分ける切り口は、顧客のコンテクストです。旅行へ行く理由、モチベーション、購買心理、顧客自身の背景、意思がその内容です。データサイエンスセントラルでは、これを追うチームを「質」的分析チームとして組織化し、日々顧客の構造を解明しています。

 顧客の特徴をとらえ、コンテクストで分類すること。このノウハウの詳細については、別の機会でご紹介したいと思います。

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この記事の著者

福田 晃仁(フクダ アキヒト)

株式会社 学研ホールディングス CMO
株式会社 学研エデュケーショナル 取締役 / 株式会社 学研プラス 取締役 /
株式会社 学研教育みらい 取締役 / 株式会社 地球の歩き方 取締役

総合代理店 / ITベンダー / 事業会社のキャリアを持ち、一貫してマーケティングとTechの両面によ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/07 10:56 https://markezine.jp/article/detail/31578

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