SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

JTBが挑むデータドリブン戦略 立ち上げから運用まで

施策から逆算する JTBのプライベートDMP設計

 事業をデータドリブンに変革するためには、どういった考え方や組織が必要になるのでしょうか。本連載では、体制づくりに悩む企業の担当者に向けて、JTB Web販売部戦略担当部長の福田晃仁氏が自らの経験をもとに解説していきます。第2回では、JTBの統合データ基盤とその設計思想について語ります。

CVRの改善を実現する、特徴に応じた1to1コミュニケーション

 JTBのデータドリブン戦略の要となる組織 「データサイエンスセントラル」(前回記事はこちら) は、基盤~分析~施策までを範疇としています。施策の成功指標として様々な評価指標を持っていますが、単純にCVRベースで見たときは、150%以上改善することを、ひとつの目安としています。

 従来の1.5倍の効果が上がれば、“仮説としてのセグメントが実在”し、“それに応じてコミュニケーションを改善できたと言える”、と考え設定しているものです。これらは、データドリブン、マーケットインの発想のもと、お客様が旅行へ出かける理由や動機といった、文脈(コンテクスト)を紐解き、特徴に応じた1to1のコミュニケーションを行っている成果です。では、そのためにどのようなデータ基盤が必要になるのでしょうか。

株式会社JTB Web販売部データサイエンスセントラル 基盤チーム
株式会社JTB Web販売部データサイエンスセントラル 基盤チーム

 第2回は 「統合顧客データ基盤(プライベートDMP)」 の設計について解説します。

施策から逆算するJTBのプライベートDMP

 この連載をお読みになっている方のなかには、まさに自社のプライベートDMP(※)構築を検討されている方もいるかもしれません。その際に必ず直面するのは「何から手をつければいいのか?」という点だと思います。

 そこで、今回はJTBのプライベートDMPの変遷をVersion1.0→2.0→3.0→4.0の順番で紹介し、どのような優先順位で設計してきたかをお話ししたいと思います。キーワードは「施策側から逆算する」ことです。

※このような統合顧客データ基盤は、グローバルでCDP(Customer Data Platform)と呼ばれています。日本においてはまだ「プライベートDMP」の呼称が多く残っているため、本連載ではそれに準じることとします。

 プライベートDMPの全体構成は、「データ統合」と「データ活用」に大別することができます。(下図左から右へ) データ統合では、JTBの販売データ、外部データ、Webのログデータをつなげてためる。そして統合したデータから、顧客の購買動機や旅行目的を分析し、得られた知見を施策へ活用していきます。

 一般的にプライベートDMPというと、図中央にあるDMP単体を指します。そのため製品選定から手をつけてしまいがちです。しかし私たちは、データソースや、施策を実行するMAといったアプリケーションも含めたエコシステム全体をプライベートDMPと捉えています。

 

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
プライベートDMP活用の鍵は「探索型分析=セグメント構築」にあり

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
JTBが挑むデータドリブン戦略 立ち上げから運用まで連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

福田 晃仁(フクダ アキヒト)

株式会社 学研ホールディングス CMO
株式会社 学研エデュケーショナル 取締役 / 株式会社 学研プラス 取締役 /
株式会社 学研教育みらい 取締役 / 株式会社 地球の歩き方 取締役

総合代理店 / ITベンダー / 事業会社のキャリアを持ち、一貫してマーケティングとTechの両面によ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/11/07 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32211

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング