広がる西日本地域のTwitter活用
はじめに、開会の挨拶のため登壇したのは、Twitter Japan 代表取締役の笹本裕氏。現在日本のマーケットは、全世界で広告取引高の16%を占めており、多くの広告が出稿されている。
これについて笹本氏は「昨年からTwitterのアクティブ利用者数は4,500万を超えています。これだけの利用者が様々な会話をしており、商品・サービスについても幅広い会話が起きています」とした上で、西日本地区(名古屋から大阪、九州までを含む)における注力ポイントに話を移した。
ポイントは2つあり、1つは「ブランドDR(ダイレクトレスポンスの略)領域の開拓」、もう1つは「テレビとTwitterのダブル活用」だ。Twitterでの会話を通してブランディングしていくことがDRの最適化につながること、テレビとの同時活用が特に西日本では効果的なことを伝えて、取り組みを強化している。その影響から、この3年間で大阪オフィスでは広告取扱高を6倍以上、企業のアクティブアカウントも2倍以上に成長させた。
さらにTwitterと西日本のテレビ局による、コンテンツパートナーとしての取り組みが活性化してきていることについても触れられた。テレビ局にとっては視聴率の向上、放送外収益というメリットがあり、企業にとってはリーチの補完になる。さらにはTwitterでコンテンツを見た人たちの会話を分析することでコンテンツの内容を即座に修正し、広告価値も高まっていくという好循環が生まれると解説した。「こうした取り組みはもっと多くなる」と笹本氏。
そして最後に同氏は「デジタルという狭い領域だけでなく、新聞、テレビをはじめとした様々なメディアを組み合わせた広告展開ができるはず。それがTwitterで会話が増幅することで、より広告価値が高まっていくことを期待しています」と語り、挨拶を終えた。
ブランドが会話を起こすための3つのポイント
「ブランド起点にTwitterで会話を起こすヒント」をテーマに語ったのは、Twitter Japanでブランドストラテジストを務める山岸ななえ氏。
同氏は「Twitterは、元々人が持っている気持ち(インサイト)をツイートで顕在化することにより、会話が生まれるプラットフォーム」という前提のもと、ブランドが会話を起こすためのポイントとして以下の3つを挙げた。
1.会話は「自分ゴト化」から始まる
2.そのために、会話のネタを設定しオーディエンスを巻き込む
3.会話のネタはブランドが伝えたいこと、オーディエンスが話したくなることから導き出す
1つ目の「会話は『自分ゴト化』から始まる」に関しては、従来の広告コミュニケーションと比較しながら解説が行われた。まず、テレビCMなどを中心とした従来の広告コミュニケーションの場合、認知をして世の中ゴトを作り、それが身内ゴトとなって、自分まで到達したときに初めて自分ゴト化する。
一方Twitterの場合、自分のインサイトをツイートで顕在化させるため、ツイートを見たときに自分ゴトとして当てはめやすい。そして、自分ゴト化されたツイートが身内、そして世の中へと広がっていく。Twitterにおける情報流通の仕方がこれまでとは違うことを認識することが、企業担当者には求められる。
続いて2つ目の、「そのために、会話のネタを設定しオーディエンスを巻き込む」は、企業側から会話を起こすための仕掛け方のポイントとなっている。企業側から「○○について自由に話して!」と語りかけても、オーディエンスは何を話して良いかわからず、会話は起きにくい。そのため、企業側がある程度回答しやすい枠組みを作ることで、会話が起きやすくすることが重要だという。
そして、3つ目の「会話のネタはブランドが伝えたいこと、オーディエンスが話したくなることから導き出す」は2つ目のオーディエンスを巻き込むためには重要なポイントである。山岸氏は3つ目のポイントについて、具体的なネタの設定方法を説明した。
「企業・ブランド側が提供できる機能的価値(特性・品質)、情緒的価値(得られる感情)と、Twitter利用者側のターゲット(誰に向けて)、モーメント(どんなとき)、インサイト(どんな気持ち)を踏まえて共通項を探し、会話のネタを設定していくことが重要です」(山岸氏)
山岸氏はこれら3つのポイントを踏まえ、ブランド側から会話を創出する仕組み作りに取り組むことを勧めた。