菊水、花王、BULK HOMMEが取り組む「生活者マーケティング」
続いて村岡氏は、生活者マーケティングを取り入れ課題を克服した企業の事例を紹介した。
菊水酒造:マストバイを起点に、顧客のインサイト情報の獲得に成功
酒造メーカーの菊水酒造は、商品ブランド力はあるものの、顧客の消費行動や嗜好を正確に把握することに苦労していた。その上、メルマガやハガキなどで顧客データは得られていたものの、顧客との接点としては限定的で、長期的なコミュニケーションも続けられていなかった。
そこで同社は、QRコードを読み取り応募するマストバイ形式のアンケートキャンペーンを実施。参加者の定性情報や購入の理由を把握し、これまで難しかった顧客の「購入し続けてくれる理由」の可視化を狙った。その結果、1万2,000人以上の応募が集まり、マーケティング施策や商品開発のヒントになるような情報を得ることに成功した。
また同社は、キャンペーン参加者向けにコミュニケーションとしてTwitter上で参加型の企画を行った。参加型の企画は「ふなぐちツイッター飲み会」と題し、菊水とおつまみの写真に「#ふなぐち」を付けて投稿してもらうという、仕掛けとしてはそこまで難しくないものだが、同社顧客に非常に人気な企画になった。参加者同士の盛り上がりはもちろん、Twitter上の拡散により広告ではリーチが難しい新規層への商品の訴求につながった。
AKAISHI:サンプリングきっかけにコンテンツやコピーの制作を支援するサポーターを獲得
外反母趾にやさしいコンフォートシューズの製造販売を手掛けるAKAISHIは、製品の特性を正しく伝えられていないという課題を抱えていた。そこで、メディア上で継続的に商品をサンプリングし、サンプリングに協力してくれた生活者と継続的にコミュニケーションできるデータベースを作成してマーケティングの施策設計に活用した(同事例の詳細が知りたい方はこちら)。
その結果、SNSから商品体験コメントが得られるようになり、体験コメントをブランドコピーとして活用したところ、売り上げ拡大につながったとのことだ。さらに、投稿されたコンテンツをLINE@の受け皿LPに活用するなど、施策に活用できるアセットが貯まるようになった。
花王:非購入者の意見を取り入れたマーケティングを
「従来のサンプリングでは、商品体験後の施策に活用できるデータを蓄積できていなかったり、コミュニケーションが継続できていなかったりする企業は多い」と村岡氏は指摘する。
花王でも、こうした課題を抱えていた。そこで同社では、肌質や化粧品にかける予算をアンケートで聞き、顧客像に近しい生活者に商品を配布。その上でサンプリングした生活者に事後アンケートを実施し、購入者と非購入者のペルソナを明確化した。このデータをもとに、購入のポテンシャルがある生活者層を割り出し、主に非購入者の意見を参考にマーケティング施策を実施した。
たとえば、「製品は気に入ったが、今利用している化粧品がある(から購入しない)」と回答した生活者に対しては、利用している化粧品が切れるタイミングを見計らってサンプルを送付。従来取得ができていなかったデータを活用することで、生活者にマッチしやすい施策の設計ができるようになった。
BULK HOMME:顧客獲得単価を従来の3分の1、獲得件数は10倍に
村岡氏はさらに、陥りがちな課題として「クリエイティブ素材の枯渇」と、「UGCやTwitter施策における費用対効果算出の難しさ」を挙げ、その解決策を以下のように説明する。
「クリエイティブ素材の枯渇対策は、消費者のSNSアカウントから投稿されたコンテンツを“クリエイティブ”として見せるようにすればよい。日常生活品や化粧品などの購買決定は、同じ目線の生活者の口コミやレコメンドが決め手となる」
実際、メンズスキンケアブランドのBULK HOMME(バルクオム)は、Instagram上にアップされたユーザーのコンテンツも積極的に活用する、UGCを活用したSNS広告でクリエイティブを拡大するなどしたところ、顧客獲得単価は従来の3分の1に。顧客の獲得件数は従来の10倍になったとのことだ(同事例の詳細が知りたい方はこちら)。
最後に村岡氏は、「生活者マーケティングのキーワードは『UGC』と『Twitter』です。私たちは両者を活用したマーケティングプロダクトと、その活用のノウハウを有しています。様々な業種/業界で導入実績があるので、このような課題を抱えている企業の方は、ぜひご相談ください」と語り、セッションを締めくくった。
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