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「見えないものは改善できない」アスクル・LOHACOの超データドリブン運営&独自価値を生む2つの方法

2019/10/30 08:00

 アスクルが展開する個人向けECサイト「LOHACO」は、徹底したデータの利活用によって、顧客満足度の向上に取り組んでいる。2019年9月13日に開催された「MarkeZine Day 2019 Autumn」に、同社の成松氏が登壇。「データは共通言語である――最高の顧客体験を目指すロハコのデータ民主化事例」と題されたセッションで、精緻な分析から導き出した顧客ニーズと、それに基づく施策を紹介。8月に始動したデータマーケティング支援サービス「LOHACO Insight Dive」についても解説した。

目次

データから浮かび上がるLOHACOの利用シーン

アスクル株式会社 BtoCカンパニー プラットフォーム本部 ビジネスマネジメント&アナリティクス 統括部長 兼 ECマーケティングディレクター 成松岳志氏
アスクル株式会社 BtoCカンパニー プラットフォーム本部
ビジネスマネジメント&アナリティクス 統括部長 兼 ECマーケティングディレクター 成松岳志氏

 アスクルが運営する「LOHACO(ロハコ)」は、主に日用品を取り扱う個人向けECサイトだ。消費者のニーズに応えた限定商品や利便性の高さが人気を集めている。同社のECマーケティングディレクターを務める成松岳志氏は、セッションの冒頭、顧客がLOHACOに何を求めているのかを、データから読み解いた結果を明かした。

 LOHACOのメイン顧客は、忙しく働いている30代後半から50代前半。商品を玄関まで届けてもらうことで、時間を節約したいというニーズをもつ層だ。

 LOHACOを知ったきっかけとして多いのは、Tポイントを使えること、そして勤め先でアスクルを使っていること。しかし成松氏は、「これらはあくまでもきっかけに過ぎず、LOHACOを好きになってもらえるかは、サービス次第」と、さらに踏み込んだ顧客分析を進めた。

 すると、一度LOHACOを利用した顧客が気に入り、継続してくれる理由には、様々なパターンがあることが判明した。都内には朝注文したものがその日のうちに届くというスピードを評価する人もいれば、ECサイトではなかなか取り扱いのないブランドの商品を買えることが魅力だという人も。あるいは、メーカーとコラボした限定商品が好きという声も存在した。

 「お客様がLOHACOを好きになってくれる理由は人それぞれ。そのため、顧客満足度を高める段階からパーソナライズを進めなければなりません」(成松氏)

ECにおける「まとめて注文」から見えてくること

 サイトにおける顧客行動を細かく確認していくと、さらに興味深い傾向も発見された。LOHACOをよく使う顧客は、必要になりそうなものを買い物カゴに溜めておき、一定のサイクルでまとめて注文し、一度に受け取るようになっていくという。サービスとのタッチポイントが減ってしまう一見ネガティブな行動だが、成松氏は「良い状態」と捉え、顧客にこうした注文方法を推奨している。

 「生活サイクルの中にLOHACOを組み込んでくださるのは、顧客満足度が高まっているからこそ。他の競合サイトと比較・検討するという行動も起こりづらくなるはずです」(成松氏)

 また成松氏によると、こうした注文スタイルが増えている背景には、スマートフォンへのシフトも関係している。LOHACOでもパソコンと比べ、スマートフォンのブラウザサイトとアプリの利用が伸びており、最近では売上の7割を占める。

 パソコンからスマートフォンへのシフトについてデータを紐解くと、サイトを訪れるタイミングに変化が生じていることがわかる。

サイトで一回の注文を完了するまでにかかる平均時間

・パソコン……43.4分
・スマートフォンのブラウザサイト……42.7分
・アプリ……71.1分

一回のサイト訪問における平均活動時間

・パソコン……15.9分
・スマートフォンのブラウザサイト……13.4分
・アプリ……9.1分

 このデータから、アプリ利用者はスキマ時間を活用して何度もページを閲覧し、より時間をかけて選んだ上で、まとめて注文していることがうかがえる。

 「起動までに時間がかかるパソコンと比べ、アプリはワンタップですぐに立ち上がるので、電車を待つ、ほんの数分でも見ることができます。スマートフォンで利用するサイトとアプリとでは似ているものだと思っていましたが、データから垣間見える利用シーンは異なっていました」(成松氏)

 スマートフォン経由の注文が増え続けることで、おのずとコミュニケーションの仕方も変わってくる。そのためLOHACOでは、購入してもらうタイミングと、商品を探してもらうタイミングの使い分けを意識しているという。

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