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江端浩人氏に学ぶ、マーケティングとテクノロジー改革の最前線

「主張と意義のないブランドは淘汰される」コトラーが語る、ブランド・アクティビズムの重要性

ブランドアクティビズムの6つの要素

 続いて、コトラー博士の考えをより深く理解していくために、博士の著書で述べられている内容がある程度まとめられているサイト「ACTIVISTBRANDS.COM」を紹介したい。コトラー博士は、このサイトの記事の中で、「ブランド・アクティビスムの6つの形態」を、以下のようにまとめている。

 Brand Activismの6つの形態(出典:「ACTIVISTBRANDS.COM」)
Brand Activismの6つの形態(出典:「ACTIVISTBRANDS.COM」)

 博士は企業やブランドがスタンスを取るために使える領域は、6つあると提唱している。その6つとは、「Social(社会)」、「Legal(法律)」、「Business(ビジネス)」、「Economic(経済)」、「Political(政治)」、「Environmental(環境)」である。それぞれを詳しく見ていこう。

1. Social Activism(社会問題)

 平等(LGBT、人種、年齢など)、教育、教育資金などを含む。日本では企業単位で取り上げにくいと思われている分野。

2. Legal Activism(法律問題)

 法律問題。税制、働き方や労働環境なども含む主にビジネスに関する法律ものが多い。

3. Business Activism(ビジネス問題)

 企業のガバナンスに関する問題。役員の高額な報酬やビジネス倫理に関するスタンス。

4. Economic Activism(経済問題)

  最低賃金や消費税、貧富の差やその他の各種税制に対するスタンス。日本でも色々な制度を導入する企業が増えてきている。

5. Political Activism(政治問題)

 ロビー活動、選挙、政策などに対するスタンス。最低賃金などの社会経済制度も含まれる。日本では一企業が取り上げにくい内容も多い。

6. Environmental Activism(環境問題)

 自然の保護や様々な環境に関する問題を福寿。多くの日本企業が取り上げやすい課題。

自社が向き合うべきアクティビズムは何か

 色々なアクティビスムがあるが、もちろん、すべてのものに取り組む必要はない。まずは自社が本当に向き合う必要がある側面を取り上げてみるのが良いだろう。最初は難しいと思うし、全社的な決断が必要であり、途中での方針転換もしにくい分野であるため、じっくり考えて導入していただきたい。

 次回は、実際に日本企業で「ブランド・アクティビスム」に取り組んでいる企業の動きを紹介したいと思います。お楽しみに!

筆者は、コトラー博士の活動を通じて新しいマーケティング4.0の意味を追求するグループ「Marketing 4.0 次世代マーケティングプラットフォーム研究会」をFacebook上で運営している。参加メンバーは現在約7,000人。興味のある方はそちらもご覧いただけるとより深い内容が理解できると考えます。

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この記事の著者

江端 浩人(エバタ ヒロト)

iU大学教授、江端浩人事務所 代表、MAIDX LLC代表、AlMONDO事業顧問

米ニューヨーク・マンハッタン生まれ。米スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)取得。伊藤忠商事の宇宙・情報部門、ITベンチャーの創業を経て、日本コカ・コーラでマーケティングバイスプレジデント、日本マイクロソフト業務...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32287

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