「売って終わり」の時代は過去となった――顧客と長期的な関係を築くことで、事業成長を目指す企業が増えてきている。LTVが最重要指標のひとつとして追求され、オンラインとオフラインが融合した世界における顧客理解を重視する”OMO”がそのカギといわれる。そもそもOMOとは何か? どのようなメリットがあるのか? Googleのテクノロジーを用いてOMOプラットフォームを構築するプロセスに精通する、電通デジタル データ/テクノロジー部門に所属する高野正臣氏、滝口絵美氏のお二人に話をうかがった。
オン/オフの垣根を超えて顧客行動データを収集する
――このところOMOというキーワードがよく聞かれます。OMOの定義は何で、LTVを成長させるにあたってなぜOMOが重要と言われているのでしょうか?
滝口:OMOは"Online Marges with Offline"の頭文字をとった言葉で、“オンラインとオフラインの融合”と定義できます。
LTVを成長させるにあたって、まずは顧客と良好な関係を築く必要があります。そのためには顧客一人ひとりの趣味嗜好やニーズ、行動特性に対する深い理解が欠かせません。
具体的には、デジタル広告やアクセス解析といったオンライン行動データに、リアル店舗での購買などのオフライン行動データを統合して、顧客行動を把握することが求められています。
BtoC物販における店舗購入額比率は94%
――オンラインとオフラインを横断するという点で「O2O」という概念がありました。OMOとO2Oの違いはどこにありますか?
滝口:O2OとOMOでは重視するポイントが異なります。
O2Oは"Online to Offline"の略で、オンラインからオフラインへの店舗送客を目的としているので、企業目線の取り組みと言えます。対するOMOは顧客目線で、顧客がオンラインとオフラインを行き来しながら購買に至るまでの一連の体験の質を高めてLTVを成長させることが目的です。
リアル店舗でスマートフォンを使って商品について口コミを調べて、帰宅してからECで購入するといったように、現代の消費者はオンラインとオフラインを意識することなくデジタルと常に接触しながら購買行動を進めます。企業側はオンラインとオフラインにおけるデータやコミュニケーションをシームレスにつないで、顧客のニーズにタイムリーに対応していくべきです。
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、国内のEC市場規模は約18兆円。市場規模は年々拡大していますが、BtoCの物販分野のEC化率は約6%にとどまり、消費者の多くは実店舗で購入しているのが現実です。しかも、店舗で購入する消費者の47%はオンライン上のチャネルから情報収集していることが電通の調査でわかっています。OMOがいかに重要かを物語る調査結果ではないでしょうか。
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