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デジタルとフィジカルを融合し、効果にコミットするクリエイターに

2019/12/25 15:30

 インターネット広告のリーディングカンパニーとして市場を牽引してきたサイバーエージェント。同社のクリエイティブディレクターである中橋敦氏は、デジタルとフィジカルの融合をテーマに数々のクリエイティブを制作しており、これからが期待されるクリエイターの一人だ。そんな中橋氏に、デジタル時代に求められるクリエイティブとは何かを聞いてみた。

目次

※本記事は、2019年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』48号に掲載したものです。

クリエイティブ視点で見る インターネット広告の変遷

株式会社サイバーエージェント ブランド・クリエイティブ部門 クリエイティブディレクター/第3局 局長 株式会社 CYPAR Chief Marketing Officer 中橋敦氏
2008年サイバーエージェント入社後、営業を経てクリエイティブ・プランナーへ転籍。2018年より現職。デジタルとフィジカルの融合をテーマとした企画、クリエイティブ開発を得意とする。ブレーン「いま一緒に仕事をしたいU35クリエーター」の一人に選出。2016年からデジタルハリウッド大学・大学院客員准教授(講義テーマ:テクノロジー&コミュニケーション)。主な受賞歴に、ADFEST,New York Festival,AMEaward,JAA 消費者が選んだ広告賞など。

――中橋さんは2008年にサイバーエージェントに中途で入社されていますね。そこから約10年間、インターネット広告の成長を見届けてきていると思いますが、クリエイティブという視点だとどのような変化があったと思いますか。

 この10年間本当に様々な変化がありましたね。デジタルクリエイティブは人によって捉え方が違うと思うのですが、僕がサイバーエージェントに入社した2008年頃は、今よりも限定的なものでした。

 具体的には、主にWebサイト上のバナーなど、ダイレクトマーケティングを目的に使うクリエイティブを指すことがほとんどでした。サイバーエージェントにクリエイティブ専門の部署もなく、前職はクリエイティブでしたが、営業からサイバーエージェントのキャリアをスタート。企画からプレゼン、制作、入稿、運用まで担当していました。

――入社当時は営業として、バナーデザインをはじめ、リスティング広告の運用までやっていたのですね。クリエイティブ領域に携わるようになったのはいつ頃からですか。

 2010年頃でしたね。そのときはフラッシュやYahoo! JAPANのブランドパネルを使用した、インタラクティブなものが流行っていました。スマホは登場していたものの、まだガラケーも混在している時期で、クリエイターとしての主戦場はPC。通信速度も今より遅く、モニターの画素数も粗いなど、様々な制限の中でできるリッチな表現を考えていました。

 その後、ソーシャルメディアが台頭してきたことで、デジタルクリエイティブの立ち位置や目指す表現が変わっていきました。それを象徴する作品として特に印象に残っているのが、インテルがFacebookアカウントと連動させたWebキャンペーン「The Museum of Me」(2011年)です。

 それまでの「ひとつのクリエイティブを皆に見てもらう」ためのものから、「あなたのためだけに見てもらうクリエイティブを作る」というパーソナライズな発想へパラダイムシフトが起こるきっかけになったと思います。その転換期を自ら感じることができたのは、とても大きかったです。

――ソーシャルメディアが登場して、パーソナライズドなクリエイティブが作れるようになったんですね。その後はいかがでしょうか。

 パーソナライズドな広告表現が出始めた後、PCやスマホ上でのリッチで重たい表現が実効果に見合わないという壁が出てきたため、インタラクティブな体験に動き始めた時代がありました。僕も当時は、NFCタグでタッチするだけで、自分のアカウントに紐づいた“いいね”がカウントされる「リアルいいね!」を開発しました。デジタルの知見や手法をフィジカル空間に拡張できないかを目論み、4万人規模の音楽フェスやイベント、渋谷の街などに導入する取り組みをしていました。

 主戦場がスマホへと急速にシフトし、デジタルクリエイティブの可能性がより広がっていきました。静止画は動画へと置き換わり、よりパーソナライズドな表現へと向かっています。

 そして現在は、クリエイターによる異種格闘技戦が繰り広げられていると思っています。スマホがコロシアムとなって、広告クリエイターが作るクリエイティブだけでなく、動画配信サービスのオリジナル動画やYouTuberによる動画、インフルエンサーのライブ配信など、様々な表現がデジタル上で行われています。

 支持されるものも、リッチで格好良くて美しい表現だけではないので、アイデア・企画勝負で立体的なクリエイティブが求められる流れになっていると思います。


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