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編集長インタビュー

人材への投資不足が「マーケティングの貧困」を招く プロマーケターを育成する手立て【田中×庭山対談】


事業会社とエージェンシーを行き来する次世代のキャリアプラン

――質と量を担保する経験を積むためには、どのようなキャリアプランを描けばいいのでしょうか。

庭山:まずは社内異動が可能か働きかけ、それが難しいようであれば、他の事業会社やエージェンシーへ転職を検討しても良いでしょうね。エージェンシーと事業会社を行き来するという方法もあります。これは米国ではスタンダードになりつつあるマーケターのキャリア形成の手法です。

 マーケティングエージェンシーの場合、一人で事業会社を7~8社担当し、短期間で様々な業界のマーケティングを経験することができます。たとえば午前は工場用ロボット、午後は船舶会社と幅広い企業について経験を積める。すると、劇的にスキルは上がりますね。

 その後事業会社に戻って、マーケティングマネージャーとして製品開発からネーミング、ブランディング、プレスリリースまで一貫して手掛けてみる。そこで事業会社でしかできない経験を積んだ後、またエージェンシーに戻る。そんなキャリアアップの手法もあります。

 結局、素質なんてないんですよ。どんな天才だって、実務を経験しなければスキルは上がりませんから。

――マーケターは自分のスキルがどれぐらいのレベルなのか、正しく認識する機会がないように感じます。自分のキャリアやスキルの価値を計るためには、どうすれば良いのでしょうか。

庭山:たとえば、当社が1月にリリースした「BtoBマーケティングスキルアセスメント」のようなスキルチェックサービスを利用するのも一つの手です。このアセスメントは、現在のマーケティングスキルを正しく測り、不足している知識や経験を可視化して把握することを目的としています。身に付けるべきマーケティングスキルが明確になりますので、今後のキャリアプランに役立てることも可能です。

田中:特にBtoB業界では、スキルをメジャメントすることがとても難しいので、これから役に立つツールになっていくでしょうね。

庭山:ハイクラス専門の転職エージェントや、マーケター専門の転職エージェントに登録し、転職市場における自分の価値を専門家から客観的に判断してもらうことも有効でしょう。マーケター同士の交流会などに参加して、マーケター同士で情報交換しても良いのではないでしょうか。

――最後に、これからのキャリアに悩むマーケターのみなさんへ向けて、お2人からアドバイスをいただけますでしょうか。

庭山:日本にはBtoBのプロフェッショナルマーケターが極めて少ないので、その道のプロを目指してほしいですね。BtoBマーケティングのプロとは、いい商談をセールスチームや販売代理店へパスアップできる仕組みをつくれる人です。この仕組みのことを、「デマンドジェネレーション」と言いますが、デマンドジェネレーションに必要なプロセスをしっかり設計できる人がこれからのBtoBマーケティングを牽引していくでしょう。

田中:私はプロのマーケターにとって重要なことは2つあると思っています。1つは実践的に学ぶこと。アカデミックな場で、手を動かし頭を使う実践的なトレーニングを積むことです。そうすれば、すぐに現場で使えるスキルが身につくはずです。そしてもう1つは、現実を見ること。自分の中にあるフィルターや思い込みを取り払い、カスタマーのインサイトに向き合ってください。「主婦って、こういう考え方をするでしょ」「若者って、こうだよね」と決めつけず、成果の出るマーケティングプランをつくれるようになってほしいですね。

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この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2023/01/23 09:25 https://markezine.jp/article/detail/32734

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