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未来を生きる当事者=若者の声をどう事業に取り入れる?

※本記事は、2020年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』49号に掲載したものです。

本日のお題
「未来を生きる当事者=若者の声をどう事業に取り入れる?」

ミドリムシを通じて地球環境や健康の課題に取り組んでいる、ユーグレナ社。会社として未来を考えるとき、その議論に「未来を生きる当事者」たちが参加していないのはおかしいと気づきました。こんなとき、あなたならどうしますか?

回答者は……
「18歳以下のCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)を募集しました」
「18歳以下のCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)を募集しました」

株式会社ユーグレナ 取締役副社長 永田暁彦氏
慶応義塾大学商学部卒業後、独立系プライベート・エクイティファンドに入社。2008年にユーグレナ社の取締役に就任し、事業戦略、M&A、資金調達、資本提携、広報・IR、管理部門を管轄。現在は副社長COOとしてユーグレナ社の食品や燃料、研究開発などすべての事業執行を務めるとともに、日本最大級の技術系VC「リアルテックファンド」の代表を務める。

CFO(最高未来責任者)が担うもの

――まず、CFO(最高未来責任者)がどのような役職なのかを教えてください。

 CFOは一般的にはChief Financial Officer、つまり財務を担う役職ですが、今回新設したCFOはChief Future Officer、つまり「未来」を担う役職です。想定している未来とは、30年先のこと。初代CFOとなった小澤杏子さんには、次の30年に向けて、ユーグレナ社がどのような行動をしていくべきかを考え、提案する役割を担ってもらいます。

――CFOを設けることになったのは、どのような経緯からなのでしょうか。

 当社は、「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、バイオ燃料の開発やバングラデシュでのミドリムシ入りクッキーの配布など、社会課題を解決するための事業を展開しています。

 社会課題を解決するための活動の一環として、2019年7月、地球温暖化について日本の子どもたちと語り合う企画を実施しました。そのときに気づいたんです。会社として未来を変えていくためには、“未来の当事者”である子どもたちにも議論に参加してもらうべきだと。そこからCFOを構想し、18歳以下限定で募集を実施しました。

CFOの募集広告
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――募集を18歳以下に限定した理由はなんでしょうか?

 18歳以下という条件自体は、そこまで重要ではないんです。ただ、若い方の中でも、利害関係なく発言しやすいのは特に18歳以下だろうなというのはありました。私たちユーグレナ社は1年後だけでなく、5年、10年、30年後の未来を良くするために事業を推進しています。しかし、多様なステークホルダーの中には、当然年度単位の成果を重視される方もいるわけです。ともすると直近の利益を重視しがちな中で、「あなたたちは、未来のために会社やってるんでしょ」と、なんのしがらみもなく提言してくれて、あるべき姿を再確認させてくれるような人に経営に加わって欲しかったんですよね。

――ちなみに、直近の利益を重視しがちというのは……?

 たとえば、プラスチックを使った商品は世間一般的ですが、海洋などの環境に配慮するのであれば、絶対に使わないほうがいいですよね。でも脱プラは、会社としてはコストも時間もかかる。そんな状況に対して純粋に、「それでも、プラスチック包装は環境によくないからなくすべきだ」と言う役割を、CFOに求めているんです。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/24 15:00 https://markezine.jp/article/detail/32776

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