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「データを用いたCXで新しい王道を作る」コメ兵が取り組む、OMOプロジェクトとは?

 リユース事業を展開するコメ兵は、2020年8月にECサイトのリニューアルとコンタクトセンターの機能強化を実施した。これは同社が2年前から進めている「OMOプロジェクト」の第1弾だという。同社執行役員マーケティング統括部長の藤原義昭氏に、OMOプロジェクトの全体像、今回の発表の狙いを聞いた。

※本記事は、2020年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』59号に掲載したものです。

過剰なカスタマーセントリックを避け、現実路線のCXを設計

株式会社コメ兵ホールディングス 執行役員 マーケティング本部長 藤原義昭氏

株式会社コメ兵ホールディングス 執行役員 マーケティング本部長 藤原義昭氏

――はじめに、ECをフルリニューアルされた背景を教えてください。

 今回のECリニューアルは、カスタマーエクスペリエンス(CX)を軸としたOMO(Online Merges with Offline)プロジェクトの一環です。ご存じの通りコメ兵は、これまでオムニチャネルをテーマに、デジタルとリアルの連携を強化してきました。ECのリニューアルもその流れを汲み、2年ほど前から準備を進めていたんです。しかし、お客様は私たちが考えている以上のスピードで、デジタルとリアルの間を行き来されています。ECの最適化だけで良いのか? と手詰まり感を感じていたところに、OMOの考えが広がり始め、店舗オペレーションも含めたすべてのサービスをCX軸に進化させ、組み直すプロジェクトが始まりました。

 CXは、カスタマーセントリックのイメージが先行し、「すべてのお客様に合わせた体験価値を提供すること」と思われがちですが、できることの取捨選択はすべきですし、コストの面からも現実的ではありません。今回は、データをもとに分析し、理想的かつ現実路線なCXの軸を作りました。私たちが提供したいCXは、お客様にすべてのチャネルで同じ体験をしていただくこと。コメ兵には、店舗での販売と買取、そしてEC、宅配買取と、4つのチャネルがあり、複数チャネルを利用されるお客様のLTVは、高い傾向にあります。お客様がデジタルから流入して、コンタクトセンターへお電話をされ、その後ECと店舗のどちらを選ばれても良い体験をしていただく。この一連のCXの流れを、重視しています。さらに店舗では、スタッフとお客様の信頼関係が重要です。コメ兵で扱う商品は、お客様の関与度が高い、ハイブランドのリユースばかり。デジタルだけではなく、人と人の付き合いを通して、販売や買取への着地を目指しています。

KOMEHYOが目指すOMOのイメージ図

KOMEHYOが目指すOMOのイメージ図

――現在進行形の、OMOプロジェクトなのですね。

 そうです。トップからボトムまで、お客様すべてのファネルを対象とし、強化したい領域を中心に、8つのプロジェクトを作りました。まずは、構想と構築、ローンチに時間がかかるECサイトとコンタクトセンターを、優先的に進めました。ECサイトのリニューアルでは、セキュリティ強化とデータ基盤の構築を重点に置き、UIもスマホファーストに大きく変えています。今や、8割のお客様がスマホからのご利用です。また、私たちのビジネスは商品が主役。コメ兵の世界観を表現するのではなく、お客様の選びやすさを優先して、シンプルなデザインと構成にしています。そしてコンタクトセンターでは、ECと店舗問わず、すべてのお問い合わせを一括で対応できるように整備しました。これらと並行して、CX戦略を進め、非接触型営業のウェブ接客や予約買取・販売、KOMEHYOメンバーズの刷新、LINEを使ったOne to One接客、海外向けのライブコマースやSNSの強化など、様々な切り口でOMOに取り組んでいます。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/25 15:30 https://markezine.jp/article/detail/34892

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