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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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ファンを軸としたマーケティングの設計図~熱量を生み、育て、広げるには

“関与度と文脈”を整理し、コミュニティ拡大期の停滞を乗り越える

 トライバルメディアハウスの高橋氏が、ファンと触れ合う「場」を設計し、マーケティング成果につなげるための方法を解説する本連載。第2回は、拡大期において、ますます盛り上がりを見せるコミュニティと、ファンの反応率が下がりやがて衰退してしまうコミュニティの違いを分析。その上でファンの関与度と文脈に注目しながら、様々なファンとの活動の場を継続的に広げていくための方法を提案する。

規模拡大中のコミュニティが抱える課題

 コミュニティは、自社を好きでいてくれるファンと対話するために便利な場である。コミュニティ運営に携わっている、もしくは検討しているマーケティング担当者も増えている。しかし企業主導のコミュニティは、立ち上げ当初であればファンが増え成果が出ているように見えても、運営を続けるとコミュニティが過疎化し、衰退してしまうことが少なくない

 では、成功するコミュニティと衰退するコミュニティには、どのような違いがあるのだろうか。もちろんコミュニティの運用体制や予算などの問題も考えられるが、筆者は、コミュニティの捉え方・考え方そのものに違いがあると考えている。

 コミュニティがもたらす価値のひとつは、共通の関心事をもったブランドの担当者とファン、ないしはファン同士が対話し、交流を深められることだ。ところが「多くのファンに集まってもらうこと」にのみ価値を見出している場合、様々なタイプのファンをひとつのコミュニティに抱え込もうとしてしまい、結果的に対話そのものが成り立ちづらくなってしまう傾向があるのだ

ファンの反応率が下がってしまう理由

 ブランドのファンを対象としたコミュニティの場合、コミュニティに参加する人数が増えて、その規模が大きくなればなるほど、アクティブに反応をくれるファンは固定化する。それとともに、全体的にファンの反応率が下がる傾向にある。コミュニティの規模が大きくなるにつれ、いくらコミュニティマネージャーがコミュニティの会話を工夫し、参加者同士をうまくファシリテートしようとしても、一部のファンとの会話に終始してしまう。

 現在、規模が大きくなったコミュニティで起きている問題の多くはここに原因があり、この問題を放置したまま参加者を増やそうとしても運営が難しい。対話が生まれるコミュニティを持続させながら、ファンとの活動の場を広げていくにはどうすれば良いのだろうか。

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この記事の著者

高橋 遼(タカハシ リョウ)

1983年生まれ。2010年株式会社トライバルメディアハウス入社。クリエイティブディレクター。ファンを軸としたマーケティング戦略・実行に従事し、これまでに航空会社、ファッションブランド、スポーツブランド、化粧品ブランド、飲料メーカーなどを担当。著書に『熱狂顧客戦略』(翔泳社)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/03/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32858

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