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「“想いが同じ”コミュニティと組んで広めていく」BOTANISTを育てた今井氏が飲料ブランドを展開

“共感できないと買わない消費者”にどう届けるか

――プロモーションに関してはいかがでしょうか。

今井:オンラインに関しては、SNS全般を中心としたデジタル広告やコンテンツ配信、オフラインに関しては自動販売機やサンプリングを中心に行っています。また、気候が温かくなる頃におもしろそうな取り組みをしようと、絶賛計画中です。

 チルすることの大切さを広めていくのがブランドの使命であり、コンテンツはそのツールです。そのため僕たちがどういう考えでチルすることが大事だと思っているのか、それを反映した表現を発信しようとしています。たとえば、こんな動画コンテンツを作りました。

『ありのままでいることの大切さ』
京都の禅僧宗貫氏のショートドキュメンタリームービー

 そしてこちらは、先輩ブランドの力をお借りして、「エナジードリンク」との対比を表現しています。Twitterでもハッシュタグとともに展開しました。

逆エナジー・リラクゼーションドリンク チルアウト | CHILLOUT
動画をPRしたツイート
動画をPRしたツイート

今井:2つの動画はトーンなどは両極端ですが、1つ目はこのブランドはどういう考えをもっているのかという事を、深く理解してもらうために作りました。2つ目は、「チル」という言葉が表す肩の力が抜けたゆるさと、商品の立ち位置をライトに表現しています。消費者がブランドの思想をより強く意識したり、それに共感できないと買わなかったりと、消費により深い意味を求めるようになってきているため、共感・共鳴してもらえるよう丁寧に伝えることを心がけていますね。

――マーケティングのPDCAについても教えてください。

今井:クリエイティブに関してはオンライン・オフライン共に、細かくテストをしてPDCAを回しています。

  オンラインでは、デジタル広告での細かな改善はもちろんですが、SNSやMAツール、自社開発のAI予測システム「インサイトスコープ“KIYOKO(キヨコ)”」などは常に見ていますね。

 「CHILL OUT」はどんな画像やハッシュタグ、言葉と一緒に投稿や検索をされているのか、日時やシチュエーションなどもチェックします。最近ですと「逆エナジー」という言葉の反応が良かったり、音楽好きが多かったりということがわかってきました。そういう方達にもっと共感してもらうにはどうすれば良いか、アイデアを出すのに役立ちます。

 オフラインでは、自動販売機でのテスト以外に、SEEDATAさんに協力してもらい、オフィスビルに売り場を設けて販売テストしました。いくつかのキャッチコピーを試してみて、興味を持った方・購入いただいた方がどんな方なのか、そしてサンプリング時にもリアルな声も聞かせてもらい、クリエイティブやコミュニケーションアイディア、プロダクトの細かな改善に活かしました。

協業のポイントは「主語を変える」こと

――現在は合同会社Endianとして、日本コカ・コーラさんと協業しているそうですね。

今井:はい。私たちがブランドの成長や販路の開拓に悩んでいるタイミングで、「共に新しいチャレンジをしたい」とお声がけいただきました。現在は日本コカ・コーラ新規事業開発本部のスタッフと、I-neのスタッフが一緒になって、Endianとしてブランドを運営しています。

 やはりお互いの会社のバックボーンが違うことが前提にあるので、協業は簡単なことではありません。お互いのスタイルの違いで、課題を抱えてしまうこともあると思います。ですが、僕たちは比較的早期に「お互いの会社のバックボーンを外してやろう」と腹を割ったことがあって。そこから皆の発言の主語が、「Endian」になっていきました。一緒に作った会社名やブランド名を主語にして取り組むと、上手くいきやすくなるのではないでしょうか。

――協業の強みが活かされた点はありますか。

今井:飲料に関する知識、生産から物流、流通、マーケティングについて、学ばせてもらうことが多いです。それからオフラインのA/Bテストを、日本コカ・コーラさんのオフラインチャネルを活用させていただくことで、精度が上がりました。一方、I-neの強みはクリエイティブやデジタルマーケティング、そしてフレキシビリティ。Endianでは、関わるスタッフが新たなチャレンジに情熱を持ち、お互いの強みを活かせる良い状態になっています。

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想いを同じくするコミュニティと組んで広める

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/03/23 07:00 https://markezine.jp/article/detail/32889

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