会社に所属したらセンターピンで頑張れ
野村:一生懸命メンバーと働いていたので、事業を伸ばし切ることができなかったことに対する多少の後悔は当然あります。ただ、事業の状況は厳しかったですし、有効な打ち手も見つけられていなかったため、もしそのまま継続していたら、組織としてだけでなく個人としても疲弊してしまっていたかもしれません。
その中で、以前会社の方からいただいた「会社に所属したらセンターピンで頑張れ」というアドバイスを思い出しました。その当時、ソーシャルやインフィード広告の領域が大きな売上になっていて、会社としてもそこに注力をしていた。そのような成長しているセンターピンと呼べる事業で働いたほうが、自分自身はもちろん、一緒に働いていたメンバーも成長できると思ったので、事業や組織の縮小判断は今思えば、会社全体の最適化という意味だけでなく、そこで働いていたメンバーにとってもいい判断だったと思っています。

野崎:そこでネガティブな気持ちにならず前を向けたのは大きいですね。そんな野村さんだからこそ、アプリソリューション部の立ち上げというチャンスが舞い降りたのではないでしょうか。そのときの気持ちはどうでしたか。
野村:「なぜその部署ができたのか、部署で何をやっていきたいのか」を社長から聞いて納得できていたので、任せてもらったからにはやり切るしかないという思いでした。
野崎:アプリソリューション部ではどういったキャリアを積んだのでしょうか。
野村:クライアントのアプリユーザーの新規獲得だけでなく、アクティブ化の支援をミッションとしていました。
当時は業界問わず、様々な企業がアプリのリリースを始めたころだったため、「SDKって何?」「LTVを上げるにはどうしたらいい?」といった、アプリマーケティングならではの課題が出てきていたんです。
アプリマーケティングのプロ
野崎:野村さんのキャリアとして、当時はアプリマーケティングの領域は未経験だったと思うのですが、どのようにスキルを磨いていったのでしょうか。
野村:まず、アプリマーケティングツールのベンダーの方などから積極的に情報を集めるなど、インプットの質と量を上げる努力をしていました。
また、その領域の第一人者になることを目指していました。アプリマーケティングの領域では歴史が浅い分、そういった方がまだいなかったので、そのポジションを確立すべく自分が得た知識や自分が作った事例を積極的にアウトプットしていきました。
野崎:キャリア形成において社内でのポジショニングはとても大事な要素です。そのような努力もあり、「アプリマーケティングに強い人」の認知を社内外に取っていくことができた野村さんですが、ここで現職のdelyに転職するという選択をしましたね。
セプテーニで役員などさらに上を目指すという選択肢もあったと思いますが、なぜdelyへの転職を選んだのでしょうか。
