※本記事は、2020年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』52号に掲載したものです。
本日のお題
若年層の心、どう掴む!?ブランド企業にとって、未来の顧客である「若年層」へのアプローチは欠かせない。日立の家電品が若年層へのアプローチ手法として、選んだ方法とは?
回答者は……
日立グローバルライフソリューションズ 株式会社
ブランド・コミュニケーション本部 宣伝部 増田蒼氏
冷蔵庫・調理家電の国内広告宣伝を担当。本VTuber企画にはキャラクターの開発時から参画し、現在もメインの担当者として従事。
マス広告中心の日立がVTuberを始めた理由
――はじめに、2019年4月にデビューした日立の家電公式バーチャルYouTuber(以下、VTuber)「白花伝伯爵(しろかでんはくしゃく)」について、どのようなキャラクターなのか、また日々どのような取り組みをしているのか、教えてください。
白花伝伯爵は、はるか遠い国の伯爵で、幼き頃から家電品に魅せられていたというバックグラウンドを持っています。白花伝伯爵の「花伝」と、弊社製品の「家電」がマッチしているということで、日立の家電公式VTuberになってくれないかと、弊社上層部の者が直々に伯爵へオファーした……という設定でデビューしました(笑)。
日々の活動としては、主にYouTubeでの動画配信とTwitterを使ったコミュニケーションを行っています。週1回のペースで更新するYouTubeチャンネルでは、たとえば「歌ってみた」やチャレンジ系の動画、他のYouTuberさんとのコラボ動画といったYouTube文化に沿ったコンテンツを配信しつつ、日立の家電品の紹介や弊社の会社訪問など、企業VTuberならではのコンテンツも配信しています。
TwitterではYouTubeでの動画公開のお知らせや、キャンペーンのお知らせ、伯爵の日常のつぶやきを行っています。またフォロワーのみなさまのリプライをシェアする形で、ファンとのコミュニケーションを図っています。
――御社といえば、これまでマス広告を大々的に展開されてきた印象があります。白花伝伯爵という、御社の公式キャラクターとしてはちょっと意外なVTuberを作った理由はなんでしょうか?
今回の取り組みは、10代・20代、つまり今後購買層になり得る若年層に対する、ブランディングが一番の目的となります。また若年層に限らず、全世代の中での日立の家電品に対する新しいイメージの獲得を目指していました。元々、日立というと「歴史がある」「真面目」といったイメージが定着していたのですが、こういった取り組みをすることで、「新しい」「革新的」といったイメージも持っていただきたいな、と。
また、やはり社会的にデジタルシフトが進む中で、従来どおりマス広告をやりつつも、社会的に影響力が大きくなっているYouTubeも活用していくべきだよね、という考えから、今回新しいメディアとしてYouTubeを選択しました。