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市川喜康×マシコタツロウが広告業界に参入!ADK Wonder Recordsが目指す音楽と広告の形

音楽特化のクリエイティブブティックがもたらした成果とは?

MZ:森永さんから見て、AWRの存在はADKグループにどのようなメリットをもたらしていますか。

森永:2019年の7月に立ち上げて以降、30件近くのお問い合わせも頂いており、クライアントへ提案に行っても非常に受けがいいです。競合からも問い合わせがあるなど、これまでにない新規クライアントとの取引が増えています。

 また、これまでのテレビCMにおける楽曲の権利のあり方を変える、社歌制作ムーブメントの一役を担うなど、音楽に秘められたビジネスチャンスをつかんでいると思います。

MZ:そのようなメリットが享受できている理由はどこにあるのでしょうか。

森永:AWRのメンバーが個々で大きい力を持っているからです。特に、マシコと市川は日本の作詞・作曲家の中でもトップオブトップです。

 従来のクリエイティブブティックの作り方は、広告制作のプロの中から音楽に強い人を集めるというやり方でした。しかし、AWRは逆で、音楽作りのプロが広告制作に本格的に参入しており、ADKグループの中でも個性の強い存在です。音楽の力が必要になれば「AWRに何かお願いしたい」と言われるようなブティックになっていき、グループ全体が押し上げられていくと思います。

MZ:AWRに対して、非常に大きな期待を寄せているんですね。

森永:これまで広告は情報伝達の役割を担っていましたが、これからは体験価値を提供する役割が求められます。生活者に体験してもらって、ファンになってもらい、その動きを広げていく。そこに広告が関与していくべきです。

 そして、良い体験に音楽は欠かせません。なぜなら、音楽は情緒に訴えていくことができるからです。AWRが作った広告・コミュニケーションで、企業が提供したい体験価値がもたらす感動を伝えていければと考えています。

作れる音楽の多様化を目指す

MZ:では、AWRの今後の展望をお聞かせください。

市川:現在採用にも携わっていますが、もっと音大出身の方などに受けに来てほしいですね。アートディレクターを目指して芸大出身の方が広告会社を受けることはありますが、サウンドディレクターという職種がないために、音楽を専門にやってきた方が広告会社を受けるケースはそこまで多くありません。

 正直、AWRはADKにいたからこそ実現したと思っています。音楽を専門にやってきた人たちが近い将来AWRの仲間としてADKに入社し、サウンドディレクターと呼ばれる職業の方が増えたらいいなと思っています。

MZ:マシコさんはいかがですか。

マシコ:現在の提携アーティストをもっと増やしていきたいですね。若い作詞家や作曲家など、新しい才能を持ったクリエイターにも入ってもらって、より作れる音楽の多様性が広がれば良いと思っています。

MZ:では、最後に森永さんからAWRに対して今後期待していることをお伺いできますでしょうか。

森永:現在は情報過多と言われていますが、そのほとんどは視覚的情報だと思います。これが淘汰されていく中で、音声にも注目が集まってきています。そのニーズをAWRが拾っていければと思います。

 また、市川が言っていたように、芸大出身の社員はいますが、音大出身など音楽に長けた人材はそこまでいなかったと市川の話を聞いて思ったので、今後は音楽関係者も積極採用していきたいと思います。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/05/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33300

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