SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

ポストCookie時代のマーケティングとテクノロジー(AD)

ツールの決め手は性能だけではない 自社の体制に合ったパートナーの選び方

有人窓口のチャネルは安心感につながる

安成:前段で菅野さんが、エンゲージメント醸成に寄与するチャネルとして、人による接客と真摯な姿勢を示せるメールを挙げられていました(※前編)。そうすると、以前と比べて重視しているチャネルも、その2つになりますか?

菅野:そうですね。まず、デジタルチャネルが増えている今、各チャネルに“人”を掛け算することが重要ですし、実践もしています。WebやDMでも、有人の窓口を案内しておくだけで、安心してサービスを使えるのでは、と。また、ライトなチャネルが増えている分、メールの“公式”感が増していますね。よくいわれるメール離れというものを当社では感じていないです。パーミッションや開封率に変化はありません。

北村:メールの特徴のひとつに、コンテンツの表現力があると思います。サイトへの誘導を図る際、そのサイトと地続きの表現で提供できると、違和感が少ないというか。藤原さんは、重視するチャネルに変化はありますか?

エンバーポイント CMO 北村伊弘氏

 1999年に現エンバーポイントの母体となるベンダー企業に入社して以降、一貫してテクノロジーを追求したマーケティング支援に携わる。クラウド型メール配信プラットフォーム「MailPublisher」シリーズの各プロダクトを企画し、現在は同プロダクトのマーケティング責任者として従事している。

藤原:当社はやはりリアル店舗が最も大きいチャネルなので、それが重要なのは変わりません。ただ、店舗はご自宅から少なからず距離がありますが、デジタルは“0cm”。そんな存在が生まれたことで、わざわざ来てもらう店舗は一層MDや接客といったコンテンツを磨く必要性が出てきています。お客様の時間を無駄に奪わないという点は、一層注力しています。

 これはお客様にギフトを届けるようなイメージでずっと続けていますね。我々は各オンラインチャネルやECをデジタル起点のメディアだと捉えていて、その先にリアル店舗での体験があり、最終的には販売員が直接電話できるくらいの関係性を構築するのがひとつのゴールです。オンラインからリアル店舗へつなげるストーリーづくりが、ますます大事になっています

ベストテクノロジーに自社を寄せるほうが得策

安成:ここまで、両社の戦略と施策をうかがってきましたが、その実現はテクノロジー基盤の整備とセットだと思います。今、米国ではひとつですべてをまかなうスイート製品ではなく、10個や20個ものマーケティングツールを組み合わせて自社に合う基盤を構築する「ベスト・オブ・リード」という方法が主流になっているそうですが、お二人はどのようにシステム基盤を構築されていますか?

MarkeZine編集長 安成蓉子
MarkeZine編集長 安成蓉子

菅野:個人情報や店舗とWebの連携など事業のコアに関わる部分は内製、配信などのノンコアの領域は外部ツールを使っています。前述のMAも今は外部ツールですね。カスタマイズしていた時期もありましたし、今も既製品ならではの制約やデメリットを常に感じていますが(笑)、MAはあくまで配信の発射台としてノンコアと位置付けているので、今はこの形を取っています。そのときどきで、揺り戻しもあります。

藤原:当社もコアとノンコアである程度振り分けていますが、菅野さんのところと大きく違うのは、社内にエンジニアがいない点です。なので基盤はすべてパートナー企業と構築して、そこに外部ツールを載せています。

 本当はオールインワンで運用したいのですが、そうするとすぐに足りない部分が出てくるので、顧客基盤だけはしっかりしたものを構築し、施策のツールを比較的柔軟に組んでいっています。早いと1年くらいで替えたりしますね。

安成:本当はオールインワンがいい、という意図は?

藤原:ラクですよね。我々はデジタル系の会社ではないので、テクノロジーを自分たちで開発して合わせるより、世の中に出ているベストプラクティス、ベストテクノロジーに自分たちを合わせたほうが、結果的に成果が出るんじゃないかといつも思っているんです。開発にかける資産を、顧客に喜ばれる施策やアプローチの企画編集に配分したほうがいい。でも、実際には足りないところが出てくるというジレンマがありますね

次のページ
真剣に考えて並走してくれるベンダーかどうか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
ポストCookie時代のマーケティングとテクノロジー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/06/30 13:37 https://markezine.jp/article/detail/33302

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング