SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

カスタマーマーケティング、その本質と実践

「カスタマーマーケティング」がマーケティングとカスタマーサクセスの良い関係を作る

カスタマーマーケティングは、マーケターにとって当然の思想

 施策だけでなく、ABC分析やRFM分析、CPM分析など顧客分析・マネジメントのための分析手法やシステムも世の中には多く存在します。データサイエンスの浸透した現在では、企業によっては、より高度な分析手法や綿密な顧客マネジメントの手法を保持していることもあります。

 つまり、カスタマーマーケティングは決して新しい考え方でも手法でもないのです。むしろ、長年かけて様々な施策の実施と検証が繰り返され、知見の溜まっているカテゴリーで、マーケターにとって向き合うべき当然の思想であり、発想です。

 そして、マーケターが一般的に持つであろう感覚として、こうした取り組みのすべてを既存顧客と新規顧客に綺麗に分けられないことも注意点としてあります。その例としてわかりやすいのが、アドボケイトや口コミなどのバイラル系の施策です。目的としては新規顧客の集客になりますが、その集客エネルギーの源泉には、既存顧客の成功事例やユーザーズボイス、ユーザーイベントなどがあります

 カスタマーサクセスの視点では、それら施策を既存顧客へ向けて、LTV向上や単価アップを促進したいと思うのは当然です。しかし、マーケティングの視点では、既存顧客だけに閉じておくのは片手落ちで、新規顧客の集客に向けても活用し、その施策を一石二鳥でスケールさせたいところです。

 カスタマーマーケティングの適用範囲は、既存顧客だけでなく新規顧客まで拡張されるもので、その主体はカスタマーサクセスだけでなく、マーケティング部門が担うことも必要なのです

カスタマーサクセスの登場が変えたもの

 前述のとおり、カスタマーマーケティングと呼ばれる類の施策は、かなり以前よりマーケティングの業務領域に含まれていました。しかしながら、現在カスタマーマーケティングが注目されつつあるのは事実であり、私自身も何かが変わってきたなという実感があります。では、この変化が何によるものか。やはりそれは、カスタマーサクセスの登場によるものだと思います。

 カスタマーサクセスの登場によりカスタマーマーケティング施策がどう変わってきているかを、マーケティング目線で整理すると、

・カスタマーのサクセスへのコミットがある
・カスタマーに伴走し、顧客の声や情報を漏れなくキャッチアップできる

 の2つに集約されます。

 カスタマーサクセスの方からすれば、当たり前な事かもしれませんが、とても価値のあることなので改めてここで述べさせていただきます。

次のページ
カスタマーの成功は「偶然の産物」から「計画的に生み出すもの」に

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
カスタマーマーケティング、その本質と実践連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡本 剛典(オカモト タカノリ)

株式会社SmartHR 執行役員 VP of Marketing

2009年GMOクリック証券株式会社に入社。プロダクトマーケティング職を経て、マーケティング責任者に着任。2018年10月よりマーケティング責任者としてSmartHRに参画。これまでに約100億円を投下し、デジタルからマスマーケティングまでを統合...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/06/09 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33403

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング