調査データから読み解く、CXに対する認識と現状
――2020年1月から2月にかけて、SprocketとMarkeZine編集部で実施した「オンライン上のCXに関するアンケート調査」では、66.4%の回答者がオンライン上のCX向上に取り組んでいると回答していました。そしてCX向上の成果として重視しているものは、「コンバージョン率の改善(74.3%)」「顧客満足度・NPS(68.9%)」「売上の向上(68.8%)」という結果でした。
調査名称:「オンライン上のCXに関するアンケート調査」
調査主体:株式会社翔泳社 MarkeZine編集部/株式会社Sprocket
調査期間:2020年1月27日(月)~2020年2月18日(火)
調査対象:MarkeZine読者(有効回答数974名)
調査方法:MarkeZine会員向けのインターネット調査
――以前、竹中様は「リピート率向上よりも離脱率を抑えることが大事」とお話しされていましたが、上記のアンケートの回答結果に対してのご意見や、それに対する御社のお取り組みも併せてご教示ください。
竹中:私もこのアンケート調査に参加したのですが、CX向上の成果として重視しているTOP3の項目は、4月に実施したサイトリニューアルの際に意識して取り組んだポイントでした。
竹中:「コンバージョン率の向上」においては、リニューアルに際しスマートフォンからのサイト来訪が多かったので、これまでの表示をスマートフォン用に最適化し、情報量が多くて解り難く離脱につながっていたページを一新していきました。お客様がその画面でどんなアクションをすればよいのかが直感的にわかるようなUI、UXを採用したことで、コンバージョン率が向上して結果へとつながったと感じています。
今回のアンケートで、回答された方の「顧客満足度・NPS」への意識の高さは予想以上ではありましたが、実はスシローでもサイトのリニューアルに際しても、またリニューアル後もお客様の声を確認していて、「顧客満足度・NPS」は重要なポイントだと実感していたところでした。特に直近では、インターネット経由でのお持ち帰りの注文が急増し、サーバーに負荷がかかって動作が遅くなることもありました。お客様が快適にご注文いただける環境作りの必要性を改めて感じながら、ご要望に添える体制の構築や対策の実施は急務であると思っています。
そして「売上の向上」に関しては、インターネット注文の単価アップをはかりつつお客様の注文のしやすさを両立するようなメニューの見せ方をするといった工夫をしています。
――深田さんはこの調査結果をどのように読み解かれますか?
深田:CXという言葉自体が、良くも悪くも概念性の強い言葉ですので、ブランディングに寄った結果が上位を占めると思っていたのですが、意外に現実的な結果が出たと感じています。施策のゴールが明確であるほど、結果に直結しやすいので、地に足の着いた施策に取り組まれているマーケターの方々が多いことの表れだと思います。