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インモラルな“デジマ”から脱却せよ

メルマガ会員やSNSフォロワーを「いけす」にしてはいけない 脱却するカギは「ナラティブ」にある

ナラティブ型コミュニケーションはMAで実行できる

 MAはDMPをもとに、ユーザーの興味関心に沿ったコンテンツをメールやチャットでタイミング良く出し分けることがモットーとされる。「いつ/誰に/何を/どのように」というシナリオをマーケターが設計し、MAが自動実行するという手順だ。下図は実際のLIFULL HOME’SのMAプラットフォームである。

 これをOne to Oneマーケティングと呼べば聞こえはいいが、実際のところ実行できるシナリオはOne to Segmentの域を出ない。また、図が表す通り、まさにユーザーをぐるりと取り囲んで一方通行的にマーケターの立案する仮説を浴びせる仕組みになっている。

 これを、ごく短期間でのアップセルやクロスセルといった販促ゴールのために使うならば最適な装置なのかもしれないが、一方で「メルマガはたいがい不快なもの」という認識も持たれてしまう。前回の寄稿でも回想した通り、私が担当したプロジェクトではユーザーのクレームが後を絶たなかった。また、One to Segmentの類推ベースのメッセージ配信は、必ずと言っていいほど効率改善の壁にぶつかる。

 ここに、「何を望んでいるか教えてください」という問いかけを加えるだけで大きな変化を起こせる。メールならばマイクロアンケートの形式、チャットならば人とBotを融合したコールアンドレスポンス形式。主導権をユーザーに委ねるところから始まる対話が、本来の意味のOne to Oneマーケティングに近づくことができる方法であり、MAの本領なのではないかと私は思う。

 当然、問いかけた以上は期待を超える応答をしなければならない。そのためにはシステムの設計思想ごと入れ替える覚悟が必要であるが、それに見合う手応えはある。当社の事例としても、ワンウェイのメッセージ配信よりも、問いかけを中心に据えた双方向メッセージ配信のほうがエンゲージメント率は圧倒的に高い傾向にある。

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ナラティブはSNS運用における最も基本的な概念

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この記事の著者

菅野 勇太(スガノ ユウタ)

株式会社LIFULL/百様株式会社
2008年に株式会社ネクスト(現・株式会社LIFULL)入社。以来『LIFULL HOME'S』のBtoCマーケティングに従事。2012年に日本国内初の事例となるマーケティングオートメーション導入を主導。2016年にはYahoo!APIを直接連携したオンライン広告の全社インハウス化を実施。現在はリアル店舗『住まいの窓口』を中心としたオムニチャネル戦略およびCRM戦略を統括。宅地建物取引...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/07/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33852

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