エスノグラフィ×アンケートでZ世代を理解
この連載では、Z世代を研究するコミュニティ「イノベーションチーム dot」(以下、dot)が独自のエスノグラフィ×アンケート調査によって、Z世代の特徴を明らかにしていきます。調査ではまず、被験者となってくれたZ世代の一日をモニタリング。そこで見えてきた行動の中から、dotメンバーが「あるある!」「わかる!」といった行動をまとめ、それらの行動の「なぜ?」を被験者にインタビュー。得られた結果をもとに、Z世代の特徴と考えられる仮説を立てます。
そして、その仮説を確かめる質問を作り、Z世代数十名にアンケートを実施。質的調査のエスノグラフィに、量的調査のアンケートを加えることで、より深く鮮明な“Z世代のホンネ”を探っていきます。
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第1回:Z世代はInstagramで見たものを覚えていない? エスノグラフィ×アンケートでZ世代を理解
Z世代のコミュニケーション&人間関係の特徴を調査
今回のテーマは、Z世代のコミュニケーションと人間関係。Z世代はどのように人と接し、どのようなコミュニケーションをとっているのでしょうか?
今回被験者となってくれたのは、都内私立大学2年生の工藤桃華ちゃん(以下、ももちゃん)。Z世代の4タイプでは、“人生ガチ勢”にわけられます。調査は新型コロナウイルスの影響をうけ、オンライン会議ツール「Zoom」を用いて行いました。
調査を行ったのは、ゴールデンウィーク明けの5月11日。
当日、ももちゃんにはまず、起きたタイミングでdotメンバーに連絡してもらいます。連絡をもらったdotは、ももちゃんにZoomのリンクを送信。Zoomをつないだ状態で、ももちゃんの部屋全体が見渡せる位置にPCを置いてもらい、準備完了です。その後はdotメンバー2人が交代しながら、ももちゃんが眠るまでの約一日(17時間以上)を観察し、Zoomで画面を録画。気になったことをメモしていきました。
エスノグラフィを行った日のももちゃんの一日はイラストの通り。コミュニケーションと人間関係に着目し、メモや後日インタビューから、いくつか仮説を立てていきました。
ももちゃんのエスノグラフィから立てた仮説がこちら。
【仮説】
(1)Z世代の親密度は「どのコミュニケーションツールを使うか」に現れている
(2)Z世代は親との関係性が「友達化」している
(3)Z世代は上の世代のコミュニケーション方法にちょっと引いている
今回はこの中から(1)Z世代の親密度は「どのコミュニケーションツールを使うか」に現れている、について探っていきます(2、3については次回解説します)。