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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine Day 2020 Autumn

コロナ禍でも契約数増/オープンハウスの勢いを支える、顧客視点の商品開発とスピード重視のマーケティング

顧客のリアルを明らかにする、オープンハウス流のマーケティング

 オープンハウスは、まず5月に、コロナ禍を受けた住宅意識調査を実施。そして6月上旬には、「2020年 コロナ禍を受けたこれからの住まい意識・実態・ニーズ調査」を発表した。

 調査から分かったトピックは、大きく3つ。まず1つ目は、都心・駅近のニーズに変化はないこと。また、約3割の人が以前より都心に住みたいと回答しているそうだ。

 2つ目のトピックは、在宅時間が増加し、住環境を整えたいと考えている人が多いこと。そして3つ目は、新しい生活様式により、レイアウトや設備の自由度が高い戸建てが注目されていることだ。仕事や勉強の場所、キッチン設備、屋上や庭、バルコニーなどのフリースペース、防音設備など多様なニーズが分かった。

 「調査からは、郊外に対するイメージの違いが見えました。山手線の駅まで30分から1時間くらいで出られる場所を、全員ではないですが、郊外と捉えていらっしゃる方が多いです。また、あえて満員電車を避けて自転車通勤ができるエリアも人気です」(加藤氏)

 また「広い住宅に住みたいから引っ越す」は、簡単なことではない。職場や学校、日々の暮らしが大きく変わる決断は難しい。「必ずしも、一部のメディアで話題となっていた、“県を跨ぐ移住を希望する人”ばかりではない」というのが、同社の見解だ。「“いち早く調査して、自らが情報発信する”。これが、オープンハウス流のスピード重視マーケティングです」と加藤氏は主張した。

広報と宣伝部の一体化で、スピーディーな意思決定を実現

 この、スピード重視マーケティングを実現しているのは、広報部と宣伝部が一体化している組織体制にある。加藤氏がマネジメントする広報宣伝部は、同氏を含めて5人のメンバーが所属し、メディア対応やSNSの運用、コンテンツ制作までを担当する。

 「会社のオフィシャルな情報を発信する広報に、間違いは許されません。一方、宣伝部は利益を追いますから、広報と宣伝は利益相反なところがあるかもしれません。しかし、1つの部署として動くことで、とにかく意思決定が早いメリットがあるのです」

 その事例の1つとして挙げられたのが、「小学生対象!春休み絵画コンテスト」だ。休校中の児童へ向けて、社会貢献の立場から、「将来の夢」をテーマにした絵画コンテストを実施した。「少しでもおうち時間を楽しく過ごしてほしい」「今だからこそ、将来の夢について考えて、家族で語り合ってほしい」の思いを込めてスタートしたコンテストは、全国から1,101点の作品の応募があったという。3月5日に企画を立ち上げ、約3週間後の3月23日にローンチと、スピーディーな進行に驚きだ。

 「通常の春休みのスタートに間に合わせたいと考え、関係各所の皆さまに協力いただきました。意志の強さや意思決定のスピードがあったからこそ」と加藤氏は振り返る。

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テレビを使った話題作りで、認知度を高める

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/34535

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