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コロナ禍でも契約数増/オープンハウスの勢いを支える、顧客視点の商品開発とスピード重視のマーケティング

2020/10/21 09:00

 MarkeZine Day 2020 Autumn1日目のセッション、「オープンハウスが語る、攻めのマーケティング戦略」のレポートをお届けする。コロナ禍で消費が大きく変わる中、前年度を超える契約件数を伸ばしている戸建て仲介業を主とした総合不動産会社オープンハウス。スピーカーの加藤勤之氏は、同社の強みに「顧客ニーズを反映したマーケットインの商品開発と、意思決定の早いマーケティング」を挙げ、同社のビジネスモデルを紹介する。

目次

コロナ禍でも契約数を伸ばすオープンハウス

 1997年に創業したオープンハウスは、東京・大阪・名古屋・福岡といった都市部の商圏を中心に展開する、総合不動産企業だ。現在の売上高は、5,403億円(2019年9月末)と、業界全体では7位に位置する。2013年には東証一部に上場し、毎年15%〜20%のペースで成長を続けている。目指すは売上1兆円と、各メディアからも注目が集まる話題の企業だ。その勢いはコロナ禍の今も顕在で、今年4月の仲介契約件数は前年比マイナス39.3%となったものの、5月は43.0%へ増加。直近の8月も62%増と、順調に前年度を上回る契約数の伸びを見せている

当日の投影資料より(以下、同)
当日の投影資料より(以下、同)

 博報堂出身で、2018年よりオープンハウスのマーケティングと広報を担当するスピーカーの加藤勤之氏は、同社の強みを「勢いのある営業力と、顧客へ徹底的に寄りそったスピーディーな商品開発」と分析する。

 オープンハウスは、一棟買い/一棟売りの収益不動産や分譲マンション、海外不動産など幅広く扱うが、戸建て住宅がメイン商材だ。土地の仕入れから企画設計、建設、仲介と、同社グループ内でワンストップに進め、中間マージンを節約。ステイクホルダーが複雑に関わる、一般的な不動産商流と異なるため、市場価格よりも1,000万円ほど下げた販売価格で、土地付き戸建てを提供する。「該当のエリアで現実的な価格感をメンバー同士で共有しあい、市場感を把握している」と加藤氏。

ライフスタイルの変化に合わせた「住みたい家」を開発

 しかし、オープンハウスが支持される理由は、決して価格だけではない。「顧客がどのような住まいを求めているか?」の視点で開発する、マーケットインの商品が、同社の特長であり強みだ。仲介業からスタートしたオープンハウスは、顧客のニーズとマーケットのミスマッチを痛感し、住宅の自社開発へシフト。その姿勢が、今日のライフスタイルの変化に合わせた住宅提供に繋がっている。

 総務省の調査によると、言わずもがな少子化は進んでおり、また1990年代後半からは、共働き世帯と専業主婦世帯が逆転。今では、7割近くが共働き世帯と言われている。さらに、ダブルインカムとはいえ、年々世帯所得も低下し続けている状況だ。顧客が求める住宅は、親世代のそれとは異なってくるだろう。

 「まず、大きな家よりも暮らしやすいコンパクトな家をご希望されます。そして、保育園の送迎を考えると、駅に近く、通勤圏内1時間までが現実的です。また、リーズナブルな価格帯に越したことはありません。このようなお客様の目線から開発したのが、オープンハウスの戸建てやマンションなのです」(加藤氏)

株式会社オープンハウス 社長室長 兼 総合推進本部長 兼 広報宣伝部長 兼 事業開発部長 加藤勤之氏
株式会社オープンハウス 社長室長/総合推進本部長/広報宣伝部長/事業開発部長 加藤勤之氏

郊外?駅近?住宅のニーズは本当に変わったのか?

 放送するテレビCMでは、「時代が変わっても価値が変わらないものは?」という問いに、ユーモアも交えて「愛より駅近の土地」のメッセージを発信している、オープンハウス。

 しかしコロナ禍で、生活は急激に変わった。加藤氏は、「家族分の個室や、近隣への騒音を気にせずに子どもが暮らせる環境があったら……と、悩まれた方もいると思います」と、自身の体験も含めてここ数ヵ月の変化を振り返る。

 学校が一斉休校し、保護者もテレワークとなり、家族が一つ屋根の下24時間過ごすことが増えた。緊急事態宣言が解除されたあとも、オフィスを縮小し、テレワークを推奨する企業も出てきている。

 こういった状況を受け、「大きい住宅を求め、郊外が注目されるかもしれない」「駅近の土地の価値が、変わるかもしれない」などが囁かれていた。顧客視点を重視するオープンハウスは、商品開発を見直したのだろうか?

 結論からいうと、同社は駅近・土地付き戸建ての基本方針を変えていない。顧客調査を行い、噂や曖昧な情報ではなく顧客の声をしっかりと聞いたのだ。

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