ドン・キホーテは2025年7月1日、大阪電気通信大学寝屋川キャンパス内に同社初の無人店舗となる「キャンパスドンキ大阪電通大店」をオープンした。

「キャンパスドンキ」は、大学構内に出店し、生協が閉店している時間でも利用できる便利な小型物販店舗として新たに展開された業態である。売場面積は15.1平方メートルで、営業時間は8時〜21時。レジ業務が不要となるため、省力での店舗運営が可能となり、従来比4時間の営業時間延長を実現した。
店舗では、学生や教職員のニーズに合わせ、ドン・キホーテオリジナルブランド「情熱価格」「偏愛めし」のおにぎり、弁当、菓子、飲料などの食品をはじめ、学業に必要な文房具、消耗品など約450アイテムを品揃えしている。
利用方法は、LINEミニアプリで表示されたQRコードをかざして入店し、商品を手に取り、そのまま退店するだけで自動的にキャッシュレス決済が完了する仕組み。店舗の上部に設置したカメラと商品棚の重量センサーによって来店客が手に取った商品を認識し、あらかじめ設定した決済手段で自動的に決済される。決済後はLINEミニアプリ内でレシートを確認できる。
今回の無人店舗は、NTTデータが展開する「Catch&Go」というデジタル店舗運営サービスを基盤としている。この「Catch&Go」に、Cloudpick Japanの最先端AI技術が組み込まれることで、完全自動決済システムが実現された。NTTデータがサービス全体の運営を担い、Cloudpickが技術面での支援を行う協業体制となっている。
Cloudpickの無人店舗技術は、AIとIoTを活用した高精度の消費者行動認識が特長で、自社R&Dチームが開発したハードウェアおよびソフトウェアを駆使し、店舗内の消費者行動や商品の認識を高い精度で行う。さらに、商品棚の在庫管理、購買データ分析や導線の分析など、デジタル店舗運営に必要な幅広い機能をリアルタイムで提供。データ解析はCloudpick Japanと提携して実施され、利用者の個人情報はすべて日本国内のデータセンターで管理される。
ドン・キホーテは、省人化と自社競合しない出店をかなえる新業態として拡大を視野に入れており、NTTデータとともに2025年11月頃には2店舗目の出店も予定している。また、LTV(生涯顧客価値)が長く見込める学生との接点の創出として、お得な企画の実施やイベントへの参加を検討している。
キャンパスドンキは今後、産学連携の場として、学生との共創による購買データを活用した若年層向けの商品開発など、新たな付加価値創出を目指す。
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