2021年、若者たちはどう変化していくのか
長田:2020年の流れを踏まえ、2021年は、若者たちの青春がデジタルとより融合していく気がしています。今年もオンライン文化祭を学生たち自ら開催する学校がありましたよね。
今後は、オンライン文化祭など、オンラインとリアル両方を融合させたような楽しみ方ができる学校の行事が増えていきそうだなと思います。
崔:これからは、我々大人達がどう若者に向けたサービスを提供していけるかが大事ですよね。
若者たちは、環境の中ですぐ適応して生きていくと思うんですよ。新しいことを理解して、使いこなす力が圧倒的に僕たちよりも上ですから(笑)。
コンテンツの担い手の立場から考えると、今後、以前のようにリアルの場で活動できるようになった際は、リアルにオンラインをどう持ち込ませるかが肝になってくる気がしています。
たとえば、コンサートの会場では、スマホなどのデジタルデバイスを使って楽しむ何かが出てきそうですよね。オンラインとオフラインを融合させて、1つのショーが完成するというような、デジタルありきのリアル体験がデフォルトになると予想しています。
ARをはじめ、リアルを活性化できる技術はいくらでもあると思うので、SNOW Japanとしても、そういった生活の実現を念頭に、若者に喜んでもらえるようサービス開発を進め、新しいユーザー体験を提供できたらいいなと思いますね。企業やブランドがユーザーコミュニケーションの場として、SNOWを選んでくださるケースも増えています。

フランスを代表するクチュールメゾン、ディオールとのコラボレーションにより、同ブランドのハットやアイウェアをSNOW上で楽しむことができるといったデジタル体験を提供した事例
長田:若者にとっての「デジタル」は、SNSやアプリだけではないんですよね。
SNSで共有をするまでの体験も彼らにとってはオンラインでのコミュニケーションの一部だと言えます。そこを念頭に、コンテンツを作っていきたいですよね。
若者のデジタルスキルを見習って、私たちもオンラインとオフラインが混ざり合った世界を上手に生きていくことが理想です。
【2020年以降の若者トレンドのポイント】・コロナ収束後はリアルの場でデジタルテクノロジーが活用される!?
・リアル/オンラインを組み合わせたコンテンツ体験が、より一般的になっていくと考えられる
いわゆる“DX”に注目する企業が増え、最近はよく話題にのぼります。若者が今リアルにやっているデジタルコミュニケーションの中には、実用的なDXを学ぶにあたって参考になる部分がたくさんあるのではないでしょうか。
まとめ:SHIBUYA109 lab.所長コメント

コロナ禍でオンライン体験を中心とした生活の実現が加速し、生活の軸足もリアルからオンラインへと切り替わりつつあります。“リアルもデジタルもどちらもリアル”である若者たちは、急激な変化に戸惑いつつも、自然に適応しています。
元々、リアルとデジタルは別々のもので、二つを融合させていくという考え方が主流でしたが、今後はデジタルが浸透した生活のなかで、どのように充実したリアル体験を生み出していくかが重要になりそうです。
最近注目が高まっている“DX”ですが、若者が自然に行っているコミュニケーションの中に、未来の顧客が本当に求めるDXを実現するにあたって参考になることが多くあるのではないでしょうか。