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カスタマーセンターも顧客体験の一つ ソーシャルメディアで実現する生活者への「寄り添い」と「信頼」

接客もカスタマーセンターも、ソーシャルもすべて顧客体験

――従来、カスタマーセンターといえば電話やメール、チャットなどへの問い合わせ対応が中心だったと思います。SNSにも対応するのはどのようなメリットがあるのでしょうか。

熊村:生活者により良いブランド体験を届けることにつながります。近年、生活者は店頭での接客のみならず、広告クリエイティブやソーシャルメディア上の投稿も含めて、ブランドとのあらゆる接点を顧客体験だととらえるようになりました。

 それはもちろんカスタマーセンターも同様です。カスタマーセンターでのユーザー接点も、生活者にとってはブランドとコミュニケーションできる貴重な場なのです。カスタマーセンターも、マーケティングやセールスにおける重要な顧客体験の一部であり、そこから直接的な売上やブランド価値が向上すると認識しなければなりません。

 つまりカスタマーセンターはもはやコストセンターではなく、マーケティングやセールスにおける重要な顧客接点の一つであり、利益を生み、企業価値を高めるプロフィットセンターへと転換しつつあります。これから先、より良い顧客体験を届けるためには、あらゆる部署がマーケティングやセールスの視点を持たなければならなくなるでしょう。

 そのとき、カスタマーセンターがすばやくソーシャルメディア対応ができれば、生活者のニーズや思いをいち早く知り、顧客体験を高めることにつながります。こうしたスピーディーな対応が、カスタマーセンターをプロフィットセンターへと転換させる一歩になるのではないかと思います。

 とはいえ、以前はソーシャル上のユーザーの声をカスタマーセンターでリアルタイムに集約するツールがありませんでした。しかし今はテクノロジーの進化によって、ソーシャル上の声をカスタマーセンターに即座にダイレクトに紐付けることができるようになっています。当社の提供する「Social Studio」と「Service Cloud」をかけ合わせてソーシャル上の生活者の声に耳を傾ける方法も、その一つです。

――セールスフォース・ドットコムでは「Social Studio」や「Marketing Cloud」を「Service Cloud」とかけあわせて、どのようにソーシャルリスニングに活用しているのでしょうか。

熊村:たとえば当社では英語圏を中心に「Salesforce Customer Success Group(@asksalesforce)」というTwitterアカウントを運営しています。言語は英語に限られますが、このアカウントに寄せられるメンションや問い合わせは、世界を3つのエリアに分け、8時間ずつのシフト制で24時間365日対応することになっています。メンションは、問い合わせ内容に応じてカスタマーサポートセンターやセールス担当、各ソリューションの担当に振り分けられるような体制を整えています。

 当社以外のケースでは、マレーシアやフィリピン、香港などアジア圏の航空会社で、フライトの遅延や欠航をユーザーに伝える上で「Social Studio」と「Service Cloud」を活用しています。刻々とフライト時間が迫る中、サポートセンターの返答を待っていたらフライトに間に合わなくなってしまうリスクがともないます。そのとき、企業の問い合わせフォームを検索することなく、手軽にスピーディーに問い合わせができる手段として、ソーシャルメディアでフライト情報を伝達しています。

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生活者の「待てる」時間は年々短くなっている

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この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/01/25 16:36 https://markezine.jp/article/detail/34834

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