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イヴ・サンローラン・ボーテに聞く、ハイブランドのタレントYouTube活用。新規顧客をどう取り込む?

2020/12/08 09:00

 現在タレント・アーティストのDX支援を包括的に手掛けるFIREBUGによる本連載。第3回となる今回は、イヴ・サンローラン・ボーテ(YSL Beaute)が6月に実施し、売上やブランドリフトで高い成果を上げた「I LOVE YOU SO POP」。タイアップ時の取り組みや得られた成果について、イヴ・サンローラン・ボーテでコミュニケーション マネージャーを務める野山氏と、当社のメディアDivゼネラルマネージャーである阿久津が対談で振り返りました。

目次

この2年で広告出稿先が「紙媒体」から「デジタル」に急速シフト

阿久津:今回、YSL Beauteはタレント・谷まりあさんのYouTubeチャンネルとタイアップし、限定リップコレクションのタイアップ動画を配信しました。YSL Beauteとして日本ではめずらしいYouTubeタイアップとなりましたが、従来はどのような基準を設けて広告出稿をしているのでしょうか?

野山:大前提として、YSL Beauteのブランドイメージである“ラグジュアリーな世界観”にふさわしい媒体に絞り込んでいます。本国の承認を得ている媒体にしか出稿してはいけない決まりがあるためです。ただし、それはあくまでも基本ルールであって、各国の判断で広告出稿をすることもあります。

 理由は、YSL Beauteという同じブランドでも国によって主力商品や顧客層が違うからです。日本では20代の方々が多いため、若者向けの媒体に出稿するケースも多くなっていますね。

阿久津:御社はTwitterでも広告を展開されていましたが、若年層へのリーチを狙った施策だったのですね。

野山:日本のコアターゲットが20代のため、YouTubeの他、TwitterやInstagramにも力を入れています。約2年前までは広告出稿全体の大半が紙媒体でしたが、現在はデジタルも強化して最適なバランスをとっています。

阿久津:このデジタルシフトは、新型コロナウイルスによって実店舗での接客を通じた販売が制限されたことが影響しているのでしょうか?

野山:コロナ前から若年層のデジタル化は進んでいたので、ドラスティックに変わったわけではありません。ただ、コロナ禍において店頭でのリアルな体験を提供できない分、私たちだけでなくどのブランドも、ライブコンテンツ・動画コンテンツに力を入れ始めています。

海外ではできて、日本ではできない、ハイブランドのYouTuber施策事情

阿久津:デジタルシフトが進む過程で、YouTuberタイアップや芸能人とのコラボレーションも検討されてきたのでしょうか?

野山:実は韓国や欧米各国ではYouTuberタイアップは盛んに実施されています。日本でもSNSの台頭など、世の中の動きが変わってきた中でずっと着目していて、いずれ取り入れていくべきだろうと考えていました。ただ、日本での成功事例の多くはプチプラ系であり、YSL Beauteが表現したい世界観のトンマナに一致する方がなかなかいらっしゃらなくて……。

 そんな中、谷まりあさんをはじめ、とてもクオリティの高い動画を制作するクリエイターが増えてきていることを知りました。プロモーションを実施したいタイミングと、クリエイターが登場してきたタイミングがちょうど一致したと感じています。

谷まりあさん運営「まりまりチャンネル」
谷まりあさん運営「まりまりチャンネル」

阿久津:日本では現状、「動画のクオリティが必ずしも視聴回数と比例しない」という傾向があります。日常寄りで、フレンドリーな印象を与える動画のほうが視聴者に受け入れられやすいです。

野山:日本はおもしろい動画や“ゆるい”動画のほうが人気という、独自の文化がありますよね。YSL Beauteのグローバルミーティングにおいて、韓国や欧米各国の事例としてYouTuberのメイク動画などが紹介されるのですが、本当に素晴らしいクオリティで制作しているなと感じます。

阿久津:ある意味で、日本は特殊なカルチャーがあるからこそ、プチプラ商材との相性がよいのかと思っています。一方で、「ハイブランドはタイアップしづらい」という課題ももちろん感じていました。現在、日本でもクオリティの高い動画を制作するクリエイターが台頭してきているので、ハイブランドの世界観を伝えられるYouTubeチャンネルが今後どんどん増えていくはずです。

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