好意度・購入意向が大幅リフト、新規顧客を取り込み「EC売上2倍」に
阿久津:タイアップ実施後のブランドリフト調査では、好意度が「38.1pt」、購入意向が「35.4pt」と大幅に上昇する結果が出ました。ブランド毀損もせず、お客様との効果的なコミュニケーションがとれたと思いますが、YSL Beauteとしての手応えをお聞かせください。


野山:今回紹介したリップをはじめ、同月のリップのEC売上が約2倍に伸びています。今回のタイアップ動画で「リップの使用感や発色」を詳しく紹介したことにより、元々購入を検討していて、動画を観て買ってくださった方や、商品を初めて知って買ってくださった方が多くいらっしゃったのだと思います。
コロナ禍によって、店舗を開けられない期間が続いていました。リップの使用感や発色を店頭で試せないままECで購入するのは、やはり不安な面もありますよね……。その不安をタイアップ動画によって解消できたため、購買につながったのではないでしょうか。
なお、タイアップ動画を配信する以前に他の施策も実施していたので、このタイアップ動画だけが好調の要因とは言い切れません。それでも、タイアップ動画がターゲット(売上目標)の達成に確実に寄与していると感じます。

阿久津:ブランドリフト調査の「購入したいと思った理由」を見ると、「パッケージが可愛いし、日常使いしやすそうな色だから」「発色が綺麗で使ってみたいと思ったから」と、訴求ポイントを踏まえた狙い通りのコメントをいただいていましたよね。ちなみに、EC売上は新規顧客が多かったのでしょうか?
野山:半分以上が新規顧客で、早い段階でターゲットを達成しました。時期を考えても、タイアップ動画の影響は大きいと思います。売上のターゲット規模はアイテムによって異なり、今回のリップはそこまで高いターゲット設定ではなかったのですが、宣伝が難しい商材ということもあって、無事に達成できて嬉しかったです。また、ブランドリフトの結果もEC売上への跳ね返りも、一施策として安心感を覚える数字でしたね。
今後も計画的にYouTuberタイアップを実施
阿久津:今回のタイアップ動画では、ブランドの世界観を保った上で、非常に優れた結果を出せたと思います。YSLの施策ポートフォリオにおいて、今後もタレントYouTubeチャンネルとのタイアップを実施していきますか?
野山:今回はコロナ禍における緊急施策ということもあって、タイトなスケジュールで実施させていただきました。次回はしっかりと計画を立てて、販売プロモーションに組み入れていきたいと考えています。
阿久津:YSL Beauteとしては、デジタル広告のリッチフォーマットをどのように活用していくか、新たな挑戦になりそうですね。
野山:今までとまったく同じ店頭体験を提供できない分、YouTuberの方々とのコラボレーションをはじめ、動画コンテンツに引き続き注力することになるかと思います。私たちだけでなく、どのブランドも同様の考えを持っていると思うので、周りの動向も注視していかなければと考えています。
阿久津:今回のタイアップで気づかされたのが、これまで店頭で提供していた「リップの使用感や発色を試す」といったサービスも、動画である程度補えることです。あわせて、ブランドの世界観を担保するためには「誰が試しているか」も重要なので、「ハイブランド × YouTube × タレント」は非常に相性がよいと実感しました。
タレントYouTube市場は今後ますます盛り上がるでしょう。その時、YouTuberタイアップと他の施策を組み合わせた、新しい広告の可能性も考えられます。YSL Beauteをはじめ、デジタル化が進んでいる様々なハイブランドとともに、新たな市場を切り拓いていけたらと思っています。