初挑戦のYouTuberタイアップ、ネット発YouTuberではなく芸能人の理由
阿久津:今回、様々なタレントYouTubeチャンネルがある中で、谷まりあさんを選ぶ決め手となったポイントを教えてください。
野山:私たちが理想とするイメージに合致して、ある程度の視聴回数を取れる人は限られてしまいます。その中で、谷さんはYSLのイメージに合っていて、ファッション性も高く、 YouTubeにも力を入れていらっしゃいました。動画を拝見させていただいて「毎回クオリティの高いものを作っているな」と感じていた上に、実際にお話をうかがって、ブランドのトンマナに合わせて作ってくださることがわかり、ぜひ谷さんにお願いしたいと思ったのです。
当初、芸能人ではないYouTuberの起用も検討しました。しかし、特に化粧品はイメージを重視しなければならないこともあり、クリエイティブの効果を少しでも高めるためには、タレントである谷さんとタイアップするのが最適だと考えました。
阿久津:谷さんは人気バラエティ番組にも出演されています。より多くの生活者に認知されている方のほうが、ブランドとしては安心感がありますよね。
野山:それと、プロモーションの一環として、YSL BeauteのTwitterアカウントで「●●さんに紹介してもらいました」と投稿することがあります。YouTuberの方々の中には独特な名前で活動されている方もいて、それがとんでもない名前だったりすると、ブランドのトンマナとして厳しい面もあるのです。細かな話ではありますが……。
【谷まりあさんのYouTubeでご紹介いただきました】
— YSL Beauty Japan (@YSLBeautyJP) June 17, 2020
19日(金)全国発売の限定リップコレクション
「I LOVE YOU SO POP」。
各色のニュアンスの違いがとても分かりやすく、それぞれの赤リップに合うアイコニックなスタイルも提案!
リップとファッションのトータルコーディネイトを楽しんで。
ブランドとクリエイターの意向、その両立が重要
阿久津:動画制作前には、野山さんと谷さん、我々でオリエンテーションを実施しました。製品の特徴と訴求ポイントを谷さんにお伝えし、我々が用意した動画構成案をもとにディスカッションさせていただきましたが、野山さんが谷さんとのコミュニケーションで意識していたことはありますか?

野山:第一に、タイアップとはいえ、いわゆる“やらせ感”が出てしまうクリエイティブには仕上げたくありませんでした。そのため、クリエイターである谷さんご本人の意向は尊重したいと思っていて、オリエン時に「絶対にこうしてください」という伝え方にならないように気を付けながら、商品の魅力を知っていただき、好きになっていただくことを心掛けましたね。
今回のタイアップでお願いしたのは「リップの色の違いを見せること」です。谷さんからは、「色の違いをただ見せるのではなく、自分にあったファッションと一緒に見せて、4つの世界観を作るのはどうか」というアイデアをいただきました。

阿久津:野山さんと谷さんとで、「この色だったらモードだよね」とか「このリップだったらガーリーだよね」とディスカッションしながら、それぞれの世界観を固めていきましたよね。撮影時の衣装についても、谷さんからスタイリストに「この世界観はこんな服装で!」とリクエストをして撮影に臨んでいました。
野山:谷さんにはとても協力的にご対応いただき、本当によかったです。私たちが伝えたことをそのまま表現してもらうと“やらせ感”が出てしまうと思いますが、今回は「谷さん発信」の見せ方で、効果的なタイアップ動画を制作できたと実感しています。