ネオマーケティングは早稲田大学商学学術院教授の恩藏直人氏と共同で様々な業種、業界の商品・サービスにおけるブランドの想起集合を調査する「Evoked Set(想起集合)共同研究プロジェクト」を進めている。同社は、その共同研究プロジェクトの調査スキームを活用した「エボークトセット調査」の提供を開始した。
商品・サービスのコモディティ化や少子化が進む中で、企業は自社や自社サービスのブランディングに力を入れ、競合ブランドと差別化させる施策がデジタルマーケティングやマスマーケティング問わず増えてきている。ブランディング活動はすぐに目に見える効果が測定しにくく、活動の価値や効果を可視化しづらいためマーケティングやブランドの担当者は頭を悩ませることが少なくない。こうした課題を解決するために、同社は生活者のマインドシェアを測定しブランディング活動の新指標となる「エボークトセット調査」サービスの提供を開始した。
エボークトセット(ブランド想起)調査とは、知っているブランドを意味するAwareness Set(アウェアネスセット、知名集合)、購入・利用時において、思い浮かぶブランドを意味するEvoked Set(エボークトセット、想起集合)、これらに加えてネオマーケティングの独自指標である、勧めるブランドを意味するRecommend Set(レコメンドセット、推奨集合)を組み合わせたブランディング活動を測定する調査スキームだ。
主な活用方法として、ブランディング活動の評価(効果測定)、狙うべきサブカテゴリーの把握、想起集合・推奨集合のポジションの理解に活用することができる。
調査例1
カテゴリー:自動車メーカー
調査実施期間:2020/10/9~2020/10/12
調査対象:全国の20歳~79歳男女で1ヵ月に1回以上自動車を運転する人(自動車運転者の9割以上網羅)
サンプルサイズ:1,000
サンプル回収構成:事前調査で月1回以上自動車を運転する人の中で性年代ごとの自動車運転状況をもとに回収割り付け
設問:知名集合、想起集合+第1想起の理由、推奨集合+第1推奨の理由の計5問、いずれもFA形式
アフターコーディング集計を行った結果、トヨタは知名集合・想起集合・推奨集合で最も多く想起されていた。
次にES散布図で分析。散布図でみた場合でもトヨタは想起率も高く、推奨率も高いため確固たるポジションを獲得していることがわかった。
想起率=想起数÷回答人数(1,000人)
推奨率=推奨数÷知名数
一方でカテゴリーだけではなく、狙っていきたいサブカテゴリーをベースとしたエボークトセット調査を実施することで、サブカテゴリーでの順位やポジションを把握することができる。
調査例2
サブカテゴリー:電気自動車メーカー
※対象者条件は自動車カテゴリーと同一
知名集合では日産自動車が最も想起され、自動車カテゴリーでは出てこなかったテスラも5番目に出現した。
ES散布図で見ると、電気自動車カテゴリーでトヨタと日産が想起率・推奨率が高いことがわかった。テスラとホンダの想起率は高くはないが、推奨率は他ブランドとくらべて比較的高いポジションを取っている。
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