3つの軸でテレビCMクリエイティブを120種以上制作
MZ:では、どのようにノバセルを活用してテレビCM運用を行ってきたのか教えてください。
手塚:まず、今回運用を回していくにあたり、大きく3つの軸で検証を行っていました。1つ目はクリエイティブでの差分、2つ目は台風などの突発的な天気の変化による差や日々の天気の変化による差分。3つ目は、「ノバセルアナリティクス」を活用した番組単位での差分です。
これらの3つの軸をもとに120種類のクリエイティブを制作し、効果検証を行ってきました。また、いきなり関東での出稿だと高い費用が発生してしまうため、先に放映料が安価な九州から出稿しPDCAを高速で回していくことで、そこでの知見をもとに関東での成功確率を上げる方針を取っていました。
渡部:具体的には6月に九州、7月に関東でテレビCMを放映しましたが、非常に良かったのは6月中に様々な軸で検証できたことです。先ほどもお話ししたように、一般的なテレビCMの効果計測サービスでは次月の配信に分析が間に合いません。
しかしながら、ノバセルアナリティクスではその分析をリアルタイムかつ番組ごとに行えるため、配信初月から高速でPDCAを回せました。これにより、7月の配信ではある程度確信に近い仮説を持って放映できました。
地域性のあるテレビCMクリエイティブで自分ごと化
MZ:では、120種のクリエイティブはどのようなことを意識して作っていたのでしょうか。
渡部:一番意識していたのは、地域性をクリエイティブに反映することです。地方局のテレビ番組では、その地域が中心となった地図上に天気予報が掲載されます。そのため、テレビCMのクリエイティブでも「福岡の皆さん!」など放映地域ごとに呼びかけ方を変えてみたり、各地域のランドマークや観光名所を入れてみたりと、その地域の皆さんにとっての天気予報に対するイメージに合ったクリエイティブを作り検証していました。
また、天気には台風や猛暑などの季節性のもの、雨雲レーダーなど普段から気にすることが多いものなどがあり、それぞれ訴求軸も異なります。そういったことも加味したクリエイティブを用意していました。
CPIが30%近く減少、インストール数も大幅増加
MZ:では、ノバセルを活用した運用型テレビCMによって得られた成果を教えてください。
渡部:KPIであるCPIは約30%減少し、インストール数も大幅に増加しました。また、10月末に一旦放映を終了したのですが、その後もインストール数のベースが上がっていることもわかっています。テレビCM期間中にダウンロードしなかった方たちにきちんと印象を残すことができており、天気に関して何か調べたいと思ったときに、ウェザーニュースをインストールしていただけているのだと考えています。
MZ:テレビCMを出稿している間、デジタル広告も同時並行で配信していたと思いますが、変化はありましたか。
渡部:デジタル広告のみだったころに比べてCPIが下がりました。テレビCMとデジタル広告を合わせたROASで見ても、デジタル単体だったころより良かったです。