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dotグラフィで探る、Z世代のホンネ

対等な関係でいたいから会計は割り勘。ジェンダーニュートラルな価値観を持つ「Z世代のデート実態」

常にスマホを持っているため、ノープランなデートも多い

 続いては、仮説2「Z世代はデートに特別感を求めていない?」です。今回調査したカップルを見てみると、かなり行き当たりばったりなデートをしている気がしました。あまりデートの計画に力を入れていないように見える2人。

 実際、どのように行き先やプランを決めているか尋ねてみると、「この日は美術館に行きたいということだけ決めていました。その美術館というのは、私がInstagramの広告で見つけて気になったものです。しかし、集合時間やご飯はかなり適当でした。集合時間は当日にLINEで確認。ご飯は移動中に電車の中で決めました。結局、一緒にいられればなんでもいいのだと思います。会う日にちしか決めずにデート当日を迎えることもあります」(彼女)とのこと。

 「人と出かける時にあまりプランを立てない」というのはZ世代の特徴としてあるようです。Z世代は常にスマホと一緒。集合場所や時間すら決めていなくても、当日連絡でなんとかなってしまうからです。このカップルはデートにおいてもあまり計画に力を入れていません。2人のデートは晴れの日というより、日常をともにしている雰囲気が感じられます。「デートでも自然体でいたい」というのはZ世代全体の特徴なのでしょうか?

行き先を探すのはやっぱりインスタから

 かなりノープランなデートをしていたこのカップル。唯一決めていた美術館の存在はインスタの広告で知ったという話がありました。本シリーズでは、インスタがZ世代のチャットツールになっていることや、購買意欲の発端になっていることなどを紹介してきました。今回のテーマであるデートにおいてもインスタは活躍しているのでしょうか?

 デートの行き先などの情報収集をどこでするかアンケートで聞いてみると、次のような結果になりました。

 ばらつきが出たものの、一番使われているのはInstagramという結果です。具体的にInstagramでどのように探しているのか聞いてみました。

大学3年生Nちゃん
「友達が行っていたところに行く、もしくはカップルインスタグラマーを参考にしています」

大学3年生Mちゃん
「インスタで友達に質問できる機能があるので、それを使っておすすめの場所を聞きます。後は、インスタのハッシュタグで調べたり。旅行に行きたいってなったら、旅行している友達をストーリーで見つけてDMでどこに行ったのか聞きます。ストーリーにロケーションを載せてくれていたらタップしてホームページに飛べるので便利です。友達が行っているところは穴場かなって思って参考にしています。地元の人が載せているところは穴場っぽいじゃないですか」

高校2年生Hくん
「友達が行っているところをストーリーで見て行きます。友達が行っていたところだと安心感があるので」

 インスタを活用する理由は、検索エンジンから調べるとサイトが多すぎて混乱してしまうからだそう。また、インスタの中でも流行っているところに行くのではなく友達の投稿から探して行っています。そうすることで、信頼感がありながらも混雑していないところを見分けることができるとのこと。さらに、友達の投稿を見て行くことで後日その友達との会話に繋がるというメリットもあるようです。

 デート場所を探すのにはインスタをよく使っていることがわかりました。一方で、今回調査したカップルと同じく基本的には行き当たりばったりという意見も。

高校2年生Hくん
「付き合った後であれば、集合場所だけ決めて具体的な行き先はデートしながら決めます」

大学4年生Sちゃん
「細かな行き先は決めずに、どの街に行くかだけを決めています」

 このような回答を見ると、Z世代はやはりデートに晴れの日感を感じていないように思えます。「Z世代のデートは晴れの日感<日常の共有感」であるということをより印象づけてくれたのは「デートでファミレスはあり? なし?」という質問の回答結果です。

デートでファミレスはむしろウェルカム?

 dotメンバー27名へのアンケートで、デートでファミレスはあり? なし? という質問をしたところ「あり」と答えたのが9割以上という結果に。

 その理由をZ世代会議で聞いてみると、次のような答えが返ってきました。

社会人1年目Mさん
「初デートでファミレスはなしですが、付き合った後だったらあり。ファミレスでも楽しめちゃうことをむしろ価値に感じると思います。大切にされていると思えたらなんでもいいかな」

大学年生Mちゃん
「ファミレスめっちゃありだし、コンビニのご飯でもOK。一緒にいられればいいです」

大学4年生Sちゃん
「ファミレスありです。でも、もっといいのは2人で料理すること。日常をともにすることへの憧れからだと思います」

 全体的な回答として多かったのは、毎回ファミレスは嫌だけどたまに行く分にはOKという意見。その理由としては、楽しければなんでもよいといったニュアンスのものが大半でした。ここまでで見えてきた、「どちらかが頑張るのではなく、対等な関係でいたい」「デートの計画にあまり力をいれない」「楽しければファミレスでもOK」という3つの点を踏まえると、Z世代のデートは自然体で日常の共有を目的としていると言えそうです。

【発見2】

行き当たりばったりOK。ファミレスもOK。Z世代のデートは自然体で、ドキドキよりも日常の共有が目的。

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デートの様子をSNSでシェアするのは躊躇、でもされるのは嬉しい

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この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34999

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