ビデオリサーチの「ひと研究所」は、博報堂グループ4社横断のプロジェクト「hakuhodo.movie(ハクホウドウ・ドット・ムービー)」と共同で「動画生活者統合調査2020」を実施した。
購買行動プロセスそれぞれに効果的な視聴モード/モーメント・尺・動画要素が存在
同調査では、購買ファネルの各ステップにおいて効果的な尺・動画要素を調査。「暇つぶし」動画は 、認知目的のアッパーファネルには効くが、それ以降の購買ファネルにはマイナスの影響があった。また「情緒的な満足をもたらす」動画(ブランディングムービーなど)は、ミドルに加えローワーファネルの「購入」において影響が見られ、企業/ブランドとの中長期的な関係構築に貢献することが認められた。
つまり効かせたいファネルを捉え、良い影響をもたらす動画を配置していく統合マーケティングコミュニケーションの視点が重要と言える。
動画視聴者ベースで3人に2人は購買行動プロセスに影響
「ネット動画の視聴が認知から購入に至るまでの購買行動プロセスにおいて影響をおよぼしている」と答えた人は、動画視聴者ベースで3人に2人、調査全数ベースでも3人に1人と一定の割合で存在。この影響は年齢が低いほど、男性よりも女性の方が強いという結果となった。
また商品カテゴリ別でみると「食品・飲料」「化粧品・美容用品」「日用品・生活雑貨」「ファッション」で強い。「音楽」「映像」など動画そのものと親和性の高い商材でも購買行動への影響は強いという結果となった。購買ファネル全体に影響をおよぼすネット動画ジャンルは「美容/ファッション系」や「レビュー系」が強く、「CM・広告」「企業アカウント発信の動画」でも高い効果が認められた。
【調査概要】
調査手法:インターネット調査
調査目的:テレビ視聴・ネット動画視聴の「動画生活行動」と「ネット動画の視聴実態および購買ファネルへの影響」を把握する。
対象者条件:日本全国の15~69歳
サンプル数:11,759サンプル
集計:住民基本台帳の構成比に応じてウェイトバック集計
企画主体:hakuhodo.movie
実査機関:ビデオリサーチ
実査期間:2020年8月28日(金)~8月31日(月)
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