デジタルで得た知見を地上波に活かす
MZ:先ほど、デジタルから活かしていきたい点があると言われましたが、これはどういうところですか?
三谷:たとえば、YouTubeで私を知った方が、興味をもっていただいて地上波の番組を観てくださるチャンスを活かせればと思っています。深夜番組の「バラバラ大作戦」は制作のテンションに関して、デジタルでのコンテンツを意識している点があります。これらの番組は実際の尺が15分ほどで、これはデジタルコンテンツに親しんでいる方たちが見やすいと思われる尺だと思っていて、意識してその尺にネタであったりテンションであったりを凝縮しています。出演者さんと私の関係も「出演者とスタッフ」というより、皆で一緒に15分を盛り上げよう、という一体感を意識しています。
YouTubeは視聴者層が若いと言われているので、その領域で経験したことや、いただいたリアクションなどを自分なりに考察してみて、地上波コンテンツでも活かし、多くの方に今度はテレビを楽しんでいただけたらと考えています。

MZ:なるほど。ABEMAも若年層の視聴が多いと思いますが、その点に着目する広告主も多いですか?
棚田:そうですね、現状でテレビとの接点が少ない層にもリーチできる場になっています。
たとえば、ABEMAを含めたデジタルの動画広告の中で、複数のアプローチを提案できるのも我々のプラットフォームの強みです。テレビCMの出稿を視野に入れ、より自社の商材が響くターゲットや有効なクリエイティブを動画広告の配信で探るケースも出てきています。

良いものに触れて気づきや人生の豊かさにつながれば
MZ:広告主にとって、プランニングの判断材料にもなるわけですね。今後、UltraImpressionのビジネスとしては、どのような展望をお持ちですか?
棚田:テレビの視聴スタイルは、どんどん変化しています。スマホでのテレビコンテンツ視聴が一般化し、さらに今はデジタルに接続した「コネクテッドTV(CTV)」が増えて、テレビでデジタルコンテンツを楽しむ人が出てきています。その環境下への広告配信も整備しています。
視聴者に適切な広告をお届けできてこそ、広告主に効果をお返しできます。今後も手法やシステムを磨き、動画広告市場を盛り上げながら、放送と配信、イベントなどテレビ朝日のアセットも活かして広告主の課題を解決したいと考えています。

MZ:先ほど「テレビ局のコンテンツが宝物」という言葉もありましたが、コンテンツのクオリティを大前提に、デジタルとの融合に果敢にチャレンジされている姿が印象的でした。最後に、テレビ朝日としての注力点や、意気込みをうかがえますか?
三谷:今後もテレビとデジタルを横断しながら、それぞれの良さを活かせるいろいろな制作を模索したいです。今、スマホがあるのが当たり前の環境で育った世代が増える一方で、高齢者の方がスマホを持ち始めるなど、“テレビ×デジタル”の共存を楽しんでいただける層が広がっています。その中で、両方の懸け橋になれたらうれしいですね。
棚田:時代に合わせた変化にはしっかり対応しつつ、「良質なコンテンツを届けたい」というメディアの矜持はこれからも変わりません。クリエイティブ力には自負があるので、より多くの方に観ていただき、気づきを得たり人生が豊かになったりするためのアプローチを引き続き考えていきます。