UGC創出施策で売上に貢献 初速販売数が1.9倍に
小西: 「氷うどん」での学びを大いに活かせたのは、2020年秋に再販売した「タル鶏天ぶっかけ」のプロモーションですね。この商品は、過去の期間限定商品で人気の高かった14品を対象とした「あなたが選ぶ!うどん総選挙」という企画で、同年7月に1位を獲得しています。そこで、“うどん総選挙1位の推しうどん”にちなみ、「#丸亀製麺さん推しが尊いです」をつけて「推しているモノ・コト」を投稿してもらうキャンペーンを行いました。
\本日13時迄!/
— 丸亀製麺【公式】 (@UdonMarugame) September 28, 2020
抽選1000名様! #タル鶏天ぶっかけ#追いタル5タルタル【無料】クーポン当タル!
条件は
①@UdonMarugameをフォロー
②この投稿に #丸亀製麺さん推しが尊いです と「あなたの推している事やエピソード」をつけて時間内にコメント付きリツイート
③結果が届く
9月29日13:00迄 pic.twitter.com/UnejK5FaHs
増岡:こちらも「氷うどん」と同じく、自ら発信したくなるようなキャンペーンにすることで、UGCの最大化を狙いました。話題化してくれるターゲットを特定し、それに合ったテーマを設定できるよう、過去販売時の「タル鶏天ぶっかけ」の投稿をしてくださったお客様を事前に分析しています。お客様の興味関心をランキング化したところ、他商品と比べ圧倒的にアニメやゲームなどの興味関心層が上位に多いことがわかったため、「推し」の発信につながるテーマに設定しました。
いいたか:こちらの施策ではどのような成果を得られたのでしょうか。
小西:ローンチ前後の1~2週間に畳み掛けるように様々な施策を走らせた結果、UGC数が大変伸び、またUGC数と売上の相関がしっかりと見られました。
具体的には、プロモーションを行った週の週末の売上が1週目、2週目と徐々に伸びて、3週目のプロモーションが少なくなった時期には、逆に土日の売上が下がりました。いわゆるサステインの時期に入ってから、「漢気!牛肉タル鶏天ぶっかけうどん」という商品を新規追加し、そこで新たに施策を行うことによって、UGC数がまた伸び、その週末の売上が伸びました。初速販売数では過去販売時と比べて約1.9倍になっています。
いいたか:この連載のジョンソンヴィルさんの事例でも同様に、UGCとその週末の売上の伸びは相関関係にありました。SNS施策の売上への成果を判断することは一見難しいですが、こうしたデータは一つの評価軸にできますね。
基本の運用を押さえてこその成果
いいたか:オーガニックとプロモーションの両方でUGCを活用した施策に取り組んでおられますが、これらを通じて得た気付きがあれば教えてください。
小西:プロモーションを行う以前に、ベースの運用がしっかりできていることが重要だと思いました。UGCが出るようにアイデアを練って投稿すること、おいしそうなうどんをお客様が召し上がる時と同じように見せていくことなど、日々の運用の積み重ねがやはり不可欠ですね。オーガニックツイートの量やお客様との接触点を増やし、いつも覚えていてもらえるようにする。この基本を忠実に実施していることで、プロモーションの成果も出ているんだろうなと思います。
いいたか:なるほど。現状を踏まえ、今後はどのような施策に取り組もうとお考えでしょうか?
小西:「氷うどん」「タル鶏天ぶっかけ」のように、特徴的でファンの熱量も高い商品の存在をより多くのお客様に知ってもらい、ご来店いただくきっかけを作ることについては、Twitterが貢献します。デジタルの活用方法も見えてきました。
しかし、セット商品など性質が異なる商品ではまだ手探りの状況です。今後は、通常メニューやセットメニューなどでも成功事例を作り、各商品におけるTwitter活用の知見を蓄積したいと考えています。
また、94万人以上にフォローいただいていることを活かして、フォロワーの皆さんを軸とした商品作りにも挑戦してみたいですね。今後も丸亀製麺のファンである多くのお客様に喜んでいただける企画ができればと思います。