マジックナンバー実行による購買率97%、2.3億円の経済効果を算出
では実際にマジックナンバーを実行したユーザーの購買率はいくらなのか、これについても検証された。
具体的には、マジックナンバーを実行したユーザーをコホート化(同じ属性を持つユーザーとしてグループ化)して集計したところ、全体の購買率が38.5%、コンテンツ再生1回以上が48.2%、再生20回の場合78.3%であったのに対し、マジックナンバー実行ユーザーによる購買率は97%と、非常に高い購買率になることがわかった。これにより「プロファイルの編集・変更」がマジックナンバーであることが実証できた。
【判明したこと】
・課金率に向けたマジックナンバー 「プロファイル編集・変更」
・全体の課金率 38.5%
・マジックナンバー実行ユーザーによる課金率 97%
・課金率向上の可能性 59.5ポイント
改善示唆が求まることで、自然と施策設計に向けた工程も効率的に行うことができるようになる。
今回のケースでは、『プロファイル変更』が購入率を高めることが統計的に証明されたので、「プロファイル変更をしていない。かつ未購入のユーザー」を対象に、「プロファイル変更」を促すような施策を打っていくような基本方針を打ち出せる。
施策の基本方針が設計されると、施策実行による経済効果を見積もることも可能になる。それが次の公式だ。
公式の要素でまだ確認できていなかった、「ターゲットユーザー数」と「(プロファイル変更ユーザーの)購入単価」も求め、出てきた数値を公式にあてはめていく。
97%(購入率)×16万8886人(ターゲットユーザー数)×13.4ドル(約1400円)(購入単価)=月間約2.3億円
「今回の例はあくまでデータ上の机上の計算になりますが、最大2.3億円の向上余地があることを確認することができました」(米田氏)
クライアントのROI効果は平均655%
また、ビッグデータ分析手法によるROI効果がいかほどなのか、これに関しては、Amplitudeが独自に第3者機関「Nucleus Research社」を使った調査を実施したことで明らかになっている。
それによるとAmplitudeクライアントのROI効果は平均655%という結果に。これについて米田氏は、「昨今アナリティクスが進化し、改善示唆を求める作業がオートメーション化されるようになったことで精度の高い施策実施へとつながり、平均655%のROI効果を確認することができています」と説明する。
セッションの最後には、Best of Breed型(必要な機能を自由に組み合わせてプラットフォームを作っていく型)のシステム構造を採用し、既存のMAとの連携がプラグインで容易にできるような仕組みを築いていることにも言及。
「パートナー企業と共にイベント設計、導入支援、運用支援を含む総合的なグロースマーケティング支援を提案していく」と話し、セッションを締めくくった。