中国のプログラマーと日本のプログラマーの差、そして中国支社の問題。
編集部
ところで、そういう、最初に入っていた業者がダメで河森さんの所に来た。そういう事象って結構あるんですか?
河森
コンサルだよね。あります。ありますけどもうやりたくないです。
編集部
ソースとかめちゃめちゃでした?
河森
ひどかったよ(笑)。やっぱりね、設計をきちんとしないとダメ。設計してないとなあなあになってしまう。逆に本当に作り逃げするようなベンダーもいるからね。作ってハイオワリ。そこらへんもマインドが違う。下層に行けばいくほどプログラムだけやってますっていう感じになっちゃう。これは日本だけかもしれないんだけど、これはこう作ってくださいって言われたからこう作りました。直しません。なんだよね。プログラマーのゴールは言われたとおりにシステムを作って納品すること。でもアーキテクトは違う。その辺のマインドの違いってあるよね。
編集部
エンドユーザーのことまではプログラマーは考えないってこと?
河森
うーん、そう言い切ってしまうのもナンだけど、そういう人はいますよね。でも、気持ちもわかります。
編集部
当時はどれくらい労働時間裂きましたか。
河森
ショップのほうは月300(時間)位だったかなぁ。地獄だったよ。でもね、まだマシ。ちょっと前は軍隊みたいだったもの。月400(時間)とかやらされてもう帰るのも面倒くさいみたいな感じでやってたね。
編集部
うわあ無理無理。
河森
そう、そうするとね、業界自体でいいシステムが作れなくなっちゃうの。詰め込んで作ったっていいことないでしょう。安くていいものを作りたいっていうのが自分達でしょう。で、コスト抑えるために中国に支社をつくったの。今中国すごいですよ。技術力も高いし勉強もする。
編集部
はあー。壮大な話だ。
河森
そう感じるでしょう?ところがどっこい、納品されてきたものの「開発」の「発」の字がマージャンの「發」になってたりして。あと、文字チェックしてくれっていったら彼ら漢字しか見ないのよ!日本語わからないからスルーするのよ!
編集部
(大爆笑)
河森
でもそのとき、お客さんに中国を使っているっていう話をしてなかったから、クライアントにすごく怒られて。
編集部
何で怒られるの?
河森
当時はまだ中国に支社を持ってそこでバーッとやらせるっていう文化がまだ軽視されていたんだ。安かろう悪かろうのイメージがあったんだろうね。今でこそ大手企業が中国やアジアのほうに支社出しているけれど。
編集部
それって何年位前?
河森
3~4年前かな。
編集部
で、前にやっていたのがネットショップですよと。これの何を作ったんですか?(画面見ながら)
河森
自分は、バックオフィスの管理だね。表のところはフラッシュとかはデザイナーさんがやったんだけど。じゃあ、こういう管理画面でやってください、こんなインターフェースでやってくださいって感じ。仕様書はあったものの何にもできていない状態で自分が呼ばれて(笑)。
編集部
な、なんかそんなのばっかりですね。
河森
うん、だから火消し役(笑)アーキテクトは火消し役だね。