ミドルファネルを定義する方法
さて、個々のブランドでミドルファネルをどう定義するればいいのでしょうか。それはすなわち、ブランドにとって消費者がどういう状態を購入決定に至るプロセスと定義するかということです。
「認知」はわかりやすいですね。態度決定も明確です。しかし、その間を「興味関心」とか「検討」とか非常にあいまいな抽象的な態度で定義していることが、実践的なシナリオ設計を妨げています。
そして、このミドルファネルはブランドごとに、あるいはターゲットごとに違うことを認識しなければなりません。そうすることで、何通りかの認知から態度決定までのシナリオが描けます。
そもそも消費者が皆同じプロセスを踏んで購入すると考えるのは、非現実的です。何段階もプロセスを踏まず、すぐ態度決定する人もいるでしょう。どこかで何回かループして、何かのきっかけで購入に至る場合もあるでしょう。逆に何かのきっかけで競合ブランドの購入に至ってしまうこともあるはずです。
ですから、認知と態度決定の間にある「消費者の状態」=ミドルファネルを定義する作業がコミュニケーションデザインをする際の最も重要なポイントになるわけです。
ミドルファネルの設計方法
筆者はこの認知からミドルファネルを設計するために、6つの状態を「6sights model(シックスサイトモデル)」として、これらを組み合わせて何通りかのプロセスを想定することを提唱しています。下記が6sights modelを図解したものです。

これは基本的にはある程度自己関与レベルが高いカテゴリーでのモデルですが、この6つの状態からいくつかのプロセスを想定します。ひとつひとつ説明していきましょう。