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マーケター必読!論文のすすめ

実務・学術の両面からソーシャルメディアの今を考える【論文紹介】

コロナ禍において、先進的な消費者はどのようにソーシャルメディアを利用したのか

 最後に紹介する論文は関西学院大学の西本章宏准教授、大阪大学の勝又壮太郎准教授、横浜国立大学の本橋永至准教授による「急激な環境変化に対するイノベーションの源泉としての創発的消費者―COVID-19のアウトブレイクにおけるソーシャルメディアの利用動向分析―(PDF)」です。

 この論文は新型コロナ禍の消費者の行動に着目した非常にタイムリーな研究であるのと同時に、ENC(emergent-nature consumers)とLU(lead user)の相違点を分析しているため、理論的にも大きな貢献があります。拙著『キーパーソン・マーケティング』でも触れましたが、消費者の中には高い能力やスキルを持った特別な消費者がいます。ENCやLUも消費者のキーパーソンの一形態と考えられます。

 ソーシャルメディアは誰でも無料で利用できますが、その利活用の在り方は消費者セグメントによって異なります。本研究ではENCセグメントに着目し、質問調査票とアプリ起動ログの二つの側面からソーシャルメディアの利用動向を分析しています。本研究の分析結果は、ENCは同じ先端層であるLUよりも環境変化に対して頑健であり、新しい生活様式に適応した消費者であることを示しています。

 これまで簡単に4本の論文を紹介してきましたが、関心を持たれた論文は是非ご一読ください。この記事では紹介しきれなかったポイントやヒントも数多く発見していただけるものと思います。

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この記事の著者

山本 晶(ヤマモト ヒカル)

慶應義塾大学商学部教授。2001年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。2004年同大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京大学大学院助手、成蹊大学経済学部専任講師、准教授、慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授を経て、2023年4月より現職。専門はマーケティングで、主にオンライン上のC2Cインタラクションの研究に従事。日本マーケティング学会(常任理事)、日本マーケティング・サイエンス学会(研究委員・編集委員)、日本消費者行動研究学会、日本商業学会関東部会(幹事)、INFORMS、ACRの各会員...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/13 09:00 https://markezine.jp/article/detail/36151

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