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『アフターデジタル』の誤解を取り払いたい。ビービット藤井氏が創ったフェス「L&UX2021」初開催

 ビービットは5月17日(月)~28日(金)にわたり、「UX×テックの社会実装」をテーマに、オンラインフェス「L&UX2021」を開催する。米国、中国、インドネシア、フィンランド、エストニアの5ヵ国からゲストを迎え、日本側の登壇者も「最強の布陣」だと語るのは、ビービットCCOで『アフターデジタル』シリーズ著者の藤井保文氏。UXに関して世界最先端の知見に触れられる本企画について、藤井氏に狙いと見どころを聞いた。

5ヵ国からゲストを招聘 世界で起きるUXのうねりを体感する

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、今回のオンラインフェス「L&UX2021」について、概要をうかがえますか?

藤井:「UX×テックの社会実装」をテーマに、世界各国のリーダーや起業家、思想家の方々の思考と知見を共有する、UXの祭典です。すべての議論は、書籍『アフターデジタル』シリーズで執筆した世界観に基づいています。祭典や“フェス”と言っているのは、UX×テックを社会に実装することで推進される「UX型のDX」を、単発ではなくムーブメントにしていきたい思いを込めています。

ビービット 執行役員CCO 藤井保文氏
ビービット 執行役員CCO 藤井保文氏

MZ:メインとなる毎日の対談コンテンツは、すべて藤井さんがキャスティングと内容を考えられたそうですね。

藤井:はい。海外からは、テンセントやDiDi、インドネシアのCtoCプラットフォームのGo-Jekなどからゲストを迎えます。日本からは、Zホールディングスの川邊健太郎さん、早稲田大学大学院の入山章栄先生、THE GUILDの深津貴之さんといったソートリーダーや気鋭のプレーヤーの方々に参加いただきます。

 実は昨年2月にも同じタイトルでリアルなイベントを予定していて、当時は中国からの登壇者を3名お呼びする予定でした。コロナ禍で中止となってしまい、改めて企画を考える中で、中国だけがユニークなのではなく、UXに関するムーブメントは世界各国で起きている、と思うようになりました。米国も外せませんし、東南アジアでも新しい動きが見られます。また、膨大な人口規模の中でビジネスを拡大するのとは違う方向性で、国の人口が少ない北欧などは、サービス設計時からグローバルを見据えていたりします。そうした視点も取り入れようと、5ヵ国からゲストを招きました。

オンラインフェス「L&UX2021」概要

5月17日(月)~28日(金)にわたり、以下の4つのコンテンツを通して学べる、UXの祭典。
1.セッション:平日1本ずつ、計10本公開される対談動画コンテンツ。公開後は会期中いつでも視聴可能
2.ライブディスカッション:期間中に開催する、セッションを解説するライブコンテンツ(見逃し視聴なし)
3.レコメンデーションズ:登壇者が推薦する書籍や動画などを紹介
4.スポンサーズパーク:各企業の体験づくりの取り組みを公開
参加費:1と2の全視聴で5,000円(税別)/3と4は閲覧無料

詳細・申し込みはこちらから!

『アフターデジタル』で伝わり切らなかった、行動データとUXの関係性

MZ:なぜこうしたイベントを企画されたのか、教えてください。

藤井:2019年に刊行した1冊目の『アフターデジタル』に予想以上の反響をいただき、ありがたいと思う一方で、「メッセージが半分しか伝わっていないのではないか」と感じることもありました。本では「オンラインとオフラインが融合する、アフターデジタルの世界が当たり前になる」「そこでは行動データを膨大に取得できるので、顧客理解の解像度が上がる」ということを伝えたかったのですが、「とにかく行動データを集めて、DXを進めよう」と、データの取得・活用の話と受け取られてしまっていたのです。

 不思議なことに、行動データは「取ろう」とするとあまり取れないというジレンマがあります。平たく言うと、良いサービスは皆が使うから、どんどんデータが貯まりますよね。そのデータを基に、適切な内容やタイミングで接触してくれたりすると、さらに生活に根付いていきます。ユーザーをよく理解して、使いやすいサービスを提供すると、行動データが貯まる。するとさらにUXを向上できて、結果的に「UX型のDX」が実現していく。この順番が大事です

 「行動データの獲得」という企業目線の意向が先に立ち、個人データがどんどん搾取されるようになるとどうなるか。人々の側からそれを拒否する運動が起こるかもしれませんし、政府の規制が入ってテクノロジー発展が止まる可能性もある。それでは誰も幸せになれないので、もう半分のメッセージもしっかり届けていかなければと思いました。

DXの実現にも、テックとUXの掛け合わせが不可欠

MZ:冒頭でも「UX×テックの社会実装」「UX型DX」というキーワードがありましたが、今お話しいただいたアフターデジタルの誤解を解きながら、これらを実現するのが今回のイベントの主旨なのですよね。それぞれ、どういったことを意図しているのかうかがえますか?

藤井:まず、UXとテックは非常に密接で、この2つが掛け合わさることで人の可能性が広がっていくと考えています。

 一昔前は、UXの概念はオンライン上に限られていて、オフラインのビジネス上でUXという言葉は使われていませんでした。オンラインとオフラインが次第に融合していくにつれて、企業がオンとオフをまたいでカスタマージャーニーを構築し、人がそこに乗ることで自然と自己実現ができるような例が増えてきました。いつも3日坊主だったダイエットが、あるサービスに参加すると無理なくできた、といったことですね。

MZ:なるほど。企業がテクノロジーを使って優れたUXを提供することで、人々が自己実現できたり、より幸せな状態になったりする、と。

藤井:そうです。「Pokémon GO」によって高齢者がよく歩くようになり健康が増進した、という話も有名ですね。オフラインの行動も含めて、人々が自然と良い行動を取れる環境づくりを設計することが、UX×テックで可能になり、ここには大きな可能性があります。そして、ユーザーファーストの考えでテックによってUXを充実させ、ユーザーが集まり、結果として自社がDXして発展していくことを「UX型DX」と称しています。

 ですが日本では今、UXにほとんど焦点が当てられていない。皆、テックには少し過剰なほど期待していて、それこそデータでビジネスを推進しようとか、エンジニアやデータサイエンティストを積極的に採用しようとしているのに、人の体験設計の専門家であるUXデザイナーを募集する企業はまだ少数です。

MZ:日本でもDXが急務とされていますが、ユーザーインサイトやUXのアプローチが置き去りになっているケースも少なくないのでは、と感じます。

藤井:同感です。UX型のDXが当たり前になるように、まずは概念の理解と普及を進めたい。そしてもう一つ、UXというのは悪意をもって設計すると、人の行動をコントロールすることもできてしまいます。良いほうにも悪いほうにも転がるから、倫理観がとても大切なのです。これも、「L&UX2021」を通じて発信したいメッセージです。

現場視点と、上流のゲームチェンジを知る視点で学ぶ

MZ:では、「L&UX2021」の中で、MarkeZine読者に特におすすめのセッションを教えていただけますか?

藤井:各セッションは、すぐにビジネスに活かせること、より上流のゲームチェンジがどうつくられるのかを知ること、という2つの視点のいずれかを盛り込んでいます。

 前者の視点でおすすめしたいのは、次の2つです。

(1)体験価値のマネジメント-プラットフォームにおける包括的な体験管理
陳妍氏(Tencent)/深津 貴之氏(THE GUILD/note)/藤井 保文氏(ビービット)
5/17(月)18:30配信開始

(2)人と社会を支えるイノベーションイネーブラー
Abhinit Tiwari氏(Go-Jek)/塚原 文奈氏(hey)/ 藤井 保文氏(ビービット)
5/24(月)18:00配信開始 

 (1)はテンセントUX責任者の陳妍(エンヤ チェン)さんと、THE GUILD代表で、noteのCXOでもある深津さんの対談です。先日収録を行ったのですが、深津さんのUXの考え方や、その視点で「テンセントの10億人規模ではどうなるのか」と質問されたりして、規模やサービスの性質による相違点や本質が見えてくるセッションでした。

 (2)はインドネシアからGo-Jekプロダクト責任者のAbhinit Tiwariさんと、hey取締役CPOで「STORES」を前身の時代から手掛けられる塚原文奈さんがゲストです。成長するサービスのフェーズと組織の在り方、価値をぶらさずにどうグロースするか、といった議論を展開いただきました。

塚原氏との収録の様子
塚原氏との収録の様子

平日毎晩、UX思考を強化する2週間に

MZ:続いて、上流のゲームチェンジを知るためのセッションについても、おすすめをお願いします。

藤井:後者の視点では、こちらがおすすめです。

共鳴する世界観 -エコシステムと社会貢献
Sampo Hietanen氏(MaaS Global)/関 治之氏(Code for Japan)/谷本 有香氏(Forbes JAPAN)
5/18(火)18:00配信開始

 世界初のMaaSアプリとして知られる「Whim」を手掛けるフィンランド MaaS Global CEOのSampo Hietanenさんと、Code for Japanの創設者で社会起業家の関治之さん、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香さんに、エコシステムと社会貢献について話していただきました。大きな活動を目指すと立場の異なる組織や人々と自ずと協業することになりますが、すると“エゴシステム”になりがちでもある。そこをどう乗り越えてゲームチェンジを行うのか、今後のビジネスに多くの示唆をもらえる内容です。

収録の様子(左から、谷本氏、関氏)
収録の様子(左から、谷本氏、関氏)

MZ:ほかにも興味深いテーマがたくさんあります。平日毎晩、UX思考を強化する2週間として押さえたいところですね。

藤井:ぜひ。コンテンツには自信があります。来年以降の開催ももちろん視野に入れています。海外の方には、このフェスに出ることをひとつのステータスと思ってもらえるようにしたいですし、日本からUXを発信する場にもしていきたいです。

MZ:最後に、参加を検討している読者へのメッセージをお願いいたします。

藤井:今回、フェスのキャッチコピーとして「人が、その時々で、自分らしいUXを選べる時代へ。」と掲げており、これはL&UXを通して目指したい未来像を凝縮したものです。

 今の日本でUXというと、UI/UXが想起されることがほとんどだと感じています。Webやアプリのインターフェースも大事ですが、これはUXの一側面でしかない。UXとは体験そのものです。企業が提供する顧客接点を含めて、今やユーザーはさまざまなUXを自由自在に選んで享受しながら、日常生活を営んでいるという見方もできます。そうした考え方を参加者と共有できれば嬉しいですね。

 期間中には、それぞれのコンテンツを紐解く解説コンテンツとして、ライブディスカッションを配信します。ゲストをお呼びして、対談を視聴した感想や実践に活かすポイントをうかがっていくものです。あわせてご視聴いただけると、学びが深まると思います。

オンラインフェス「L&UX2021」概要

5月17日(月)~28日(金)にわたり、以下の4つのコンテンツを通して学べる、UXの祭典。
1.セッション:平日1本ずつ、計10本公開される対談動画コンテンツ。公開後は会期中いつでも視聴可能
2.ライブディスカッション:期間中に開催する、セッションを解説するライブコンテンツ(見逃し視聴なし)
3.レコメンデーションズ:登壇者が推薦する書籍や動画などを紹介
4.スポンサーズパーク:各企業の体験づくりの取り組みを公開
参加費:1と2の全視聴で5,000円(税別)/3と4は閲覧無料

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/14 11:00 https://markezine.jp/article/detail/36213