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横山隆治氏解説!コミュニケーションデザインとメディアアロケーション

「テレビ」と「デジタル」の最適な予算配分とは?メディアアロケーションの手順を説く

 インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組んできた横山隆治氏による本連載。第2回目では、「マスとデジタル」「テレビとデジタル」の予算配分を算出するための、メディアアロケーションの方法について解説します。

「テレビとデジタル」の予算配分を考える前にすべきこと

 筆者には、「マスとデジタル」特に「テレビとデジタル」の予算配分をどうしたらいいかというコンサル要請がよくあります。

 しかし、メディアの予算配分最適化を図る以前に、各ブランドのマーケティング課題に対して、施策をいかに配分するかを検討する必要があります。たとえば、対象ブランドが、認知が足りないのか、ブランド理解が足りないのか、購入決定を促す施策が足りないのか、いわゆるパーチェスファネルの「どこを強化するのか」がまずあるべきです。そのためにどんなメディアを機能させるかを策案して、初めてメディア配分に辿り着きます。

 ですからメディアの予算配分は最終的に算出されるのであって、いきなり「〇対〇になります」とは答えようがありません。実際には企業によって、各ブランドによって個別の状況や変数を積み上げて算出するしかないのです。

 その意味でも、まずは予算からスタートする思考方法を変えないといけないでしょう。

予算ありきの発想から脱却せよ

 予算ありきの発想はそもそもマーケティング活動(広告を含む)を「コスト」(費用)と考えているからです。これを「投資」と考えれば、リターンが多ければ当初予算より投下してもよいでしょうし、逆に効果が低ければ別の投資先にすぐ切り替えるべきです。また目標を達成したなら予算を使い切ることはないのです。

 予算化すると使い切ることが命題になってしまいがちですが、経営者から見れば、投資対効果が可視化できて、予算を使い切らずに目標を達成することがベストなはずです。このような考え方が浸透してくれば、マーケティング投資の最適化(特にマスとデジタルのアロケーション)のための基本的な環境ができます。宣伝部は事業部からマーケティング投資資金を預かって運用し、効果を最大化するファンドマネージャーなのです。

 前述したように、メディアアロケーションの手順としては、広告投資を考えているブランドごとに評価をし、複数ブランドをかかえる宣伝部の場合はそれらを積み上げて算出することになります。

 当然ですが、ブランドごとに購買プロセスを設定して、各プロセスへの施策配分が最も購買に寄与するように設計した上でないと、テレビ×デジタルの最適配分はできません。少したいへんですが、この作業をしないと本当のアロケーションはできませんし、逆にこれができれば、全ブランドでのマーケティング施策投資全体の最適化が叶います。

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役
トレンダーズ 社外取締役

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門会社「デジタル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/12 07:30 https://markezine.jp/article/detail/36221

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