人気クリエイターに学ぶ、TikTokの動画で大事なこと
MZ:では、ここからはTikTokクリエイターのゆうたろうさんと修一朗さんに話を伺います。お2人は普段どのような動画を投稿しているのか、また再生される動画を作るために何を意識しているのか教えてください。
修一朗:僕は元々Vlog(ブログの動画版)で日常を投稿していて、最近ではTikTokで話題になっている動画を検証するTikTok検証動画にも力を入れています。その中で意識しているのは、動画の冒頭を統一するということです。Vlogでは「僕は東京の大学生」、TikTok検証では「~~の動画は本当か?」と、毎回同じ始め方、自己紹介をすることで動画を見た方が「修一朗の動画だ」と理解してもらうことを意識しています。
MZ:Vlogだけでなく、TikTok検証にも注力し始めたのはなぜでしょうか。
修一朗:トレンドの移り変わりに対応するためですね。僕がVlogを始めた頃はTikTokで日本人によるVlogはそこまでなかったのですが、最近ではVlogが大きくトレンド化していて、トレンドが落ち着いたときのために新たなコンテンツを作っておきたいと思い、TikTok検証動画を始めました。
MZ:ゆうたろうさんはいかがですか。
ゆうたろう:僕はパルクールのカルチャーを広めるために、自分が得意としている動画編集とパルクールを駆使した様々な動画を上げています。その中で動画の再生数を伸ばすためのポイントはいくつかあって、まず動画を通じて驚きを与えることです。
パルクールは他のスポーツと違い、普通に練習動画を投稿するだけでは伸びません。そのため、合成や編集を駆使して驚きの要素を加えています。
MZ:確かに現実ではありえない動きをしている動画などもあるので、動画を見た方が「これどうやってるの」とコメントしているのをお見掛けします。
ゆうたろう:見た方に突っ込んでもらうことも意識していて、あえて雑な編集をして余白を残しています。
発見や共感を生む動画を
MZ:では、お2人がドミノ・ピザのサービスを伝えるために、どのような動画を作ったのか教えてください。
ゆうたろう:僕はピンポイントデリバリーで指定した場所にパルクールで移動して、ピザを受け取って食べるという内容の動画を制作しました。この動画においても、いつもの動画と同様に驚きを与えたいと思ったので、POV(一人称視点)でビルからビルに飛び移ったり、公園の壁をよじ登ったりして臨場感を出しました。さらに、最初、鏡に映る自分の姿を映しているんですが、編集でカメラを消すことで「一人称視点なのにカメラがないのはなんで?」という違和感を作って突っ込める要素を用意しました。
修一朗:僕は半額でお買い得なことを学生などに伝えるために、共感を持ってもらえる動画を意識しました。価格や場面、場所を見たことがあるような風景にして、言葉も学生などの方に響きそうなものを選びました。
MZ:小山さんはお2人の動画に対して、どのような印象を持ちましたか。
小山:私たちはTikTokクリエイターの方に動画制作をお願いする際に、「発見」や「共感」の要素があるかどうかを重要視しています。お2人の動画はその要素が詰まった動画になっていました。ゆうたろうさんの動画では「ピンポイントデリバリーを使えばこんなピザの注文の仕方もできるんだ」という「発見」につながっていますし、修一朗さんの動画では「1枚からでも、お持ち帰りなら半額でピザを楽しめるんだ。お得だな」ということへの「共感」を生めていると思います。