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フェリシモ「クラスター&トライブ戦略」に学ぶ、マーケティングDXの取り組み方

年間数千時間の業務時間を削減

MZ:RtoasterとBrain Roboの活用とクラスター&トライブ戦略によって、得られた成果を教えてください。

大澤:コロナ禍の巣ごもり需要も相まって売り上げ自体も好調です。「巣ごもり需要」の課題解決というよりも、コロナ前から実施していたクラスター&トライブ戦略の実施が成果につながっているのだと実感しています。

 物販サイトによくある「購買しやすさの追求」の運用ではなく、お客様の嗜好に沿った「特集コンテンツ」を読みものとして組み入れています。買い控えする顧客に対する割引オファーではなく、メディアとしてファンになってもらい、興味のあるコンテンツに純粋に反応し、訪れてくださった顧客からの購買が増えたことが成果だと感じています。

 まさしくこれは「ダイレクトマーケティングの総合力」が実っていると思います。それを日々実現するための運用基盤として、RtoasterとBrain Roboが支えてくれています。

吉川:Brain Roboに関しては、2019年3月~2020年2月で属人的な業務時間を計3,300時間削減、2020年3月~2021年2月で計7,600時間削減と、業務プロセスの効率化に非常に役立ちました。一度作ったロボットは翌年度以降も「継続&安定」して動き続けてくれるので、効果が年々累積できています。

 また何より、このコロナ禍で「非常時における事業継続の重要性」を改めて感じました。2020年4月から6月の緊急事態宣言の際は、スタッフの在宅勤務を余儀なくされました。

 ですが、アカウントIDごとにキャラクター化した社内ロボット「フェリシモこびと隊」による業務シナリオの自働化のおかげで、リモートワーク下でもいつもと変わらず安定した業務の自動運用が実現できました。

 当たり前ですが、「ECはいつでもどこでも購入」できますが、その運用を担うのは地道にいつも積み重ねている「フィジカル業務」です。お客様がご自身の暮らしで必要とされる商品をお届けするためのサービスを安定して提供し続けること、このような不測の事態が起きても持続可能な状態で事業を続ける大切さをRPAの自動運用の存在で改めて実感しました。

近藤:日頃の業務改善を多忙にかまけて煙たがらずに、喫緊課題として捉え直して向き合うことの重要性、すなわち「不測事態の未然対応」の大切さを、このタイミングだからこそ気付かされますね。フェリシモ様がコロナ禍でも成果を出せた秘訣がわかり、とても参考になりました。

ECリニューアルでさらなるパーソナライズを

MZ:最後に皆さんから今後の展望をお話しください。

大澤:2022年の春「EC基盤のリプレイス」を予定しております。目下、さらなる高みを目指した施策を検討していますが、そこではさらにRtoasterをフル活用していく方針です。

 マーケターとして、「商品担当の現場からの期待」と「消費者からの期待」の2つの期待に応えていく中で、日常の「EC運用」で多忙に追われてしまいがちです。ですが、RtoasterやBrain Roboによって、日常の繰り返し業務の自動化ができることで、キモチの負担を下げてもらっているので、新たな取り組みにいろいろ挑戦していきたいです。

 そのために、RPAに関しては「保守運用の整理」が目下の課題です。私以外にもロボット作成ができるスタッフを育成中なので、さらにスケールさせてRPAによる業務効率化を推進し、社内の皆さんのお手伝いができればと思っています。

吉川:RPAに関する推進役として、基本的な活用の仕方や効果を得るための進め方を、皆さんによりわかりやすく理解できるようにして、安定的な運用を目指したいです。

 ツールはあくまでツールであり、結局は「人」がそれを「何のため」に、「どのように」使うのか、にかかっています。そのアイデアを出し続けることがいちばんクリエイティブなことで、そこから生まれた新しい価値を生み出すための活用を推進します。そしてそのことが、お客様の豊かでしあわせな暮らしにつながっていくことを強く願っています。

近藤:クラスター&トライブ戦略は、「顧客を深く知る」ために非常に有用な戦略である一方、多様な設計と検証が必要となるため、「施策の肥大化=業務負荷の高まり」が一番懸念していたところだったので、「これが滞りなく回ること」が実現できたのは、ブレインパッドにとって、何よりも成果です。

 Rtoasterは多様な機能群で構成されているので、適用箇所が増えれば増えるほど効力を発揮するツールです。あらゆるところでパーソナライズ施策が設計され、フェリシモ様の顧客が「いつもワクワク」したキモチでECを眺めていただける、そんな体験をデータサイエンスの力で作っていけたらと思っています。現在、新たなアルゴリズムの実証検証も一緒に取り組んでいますので、それを一日も早く実用化できたらと思っています。

 また、DXが昨今のトレンドになっていますが、フェリシモ様には“デジタル化の在り方”をあらゆる角度から学ばせていただいてます。「ヒトにしかできない業務」へのこだわりや、「ヒトらしい温かみのある取り組み」を、吉川さんたちと議論を重ねて、EC業務のみならず、「社内全体のDX」として進めるお手伝いをしていけたらと思っています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/14 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36286

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